【大腸NETの話】ストーマ閉鎖に向けて尻にバリウムを入れられた話

 

「大腸吻合部造影」検査のために市大病院に行った。それはなにか。大腸NETで大腸を切除した。切除した端と端をつなげた。そのつなぎ目がちゃんとつながっているかどうかの検査だ。ちゃんとつながっている、破れ目がない、それが確かめられるとどうなるのか。ストーマ(人工肛門)閉鎖、天然肛門復活への第一歩だ。

 

というわけで病院へ。その大腸吻合部造影検査が10時。その後10時30分から診察。んー、30分で検査終わるのだろうか。いや、検査は終わるのだろうが、混んだりしていたらどうしよう? というわけで1時間くらい余裕を見て到着。あ、車で送ってもらいました。

 

で、入口で診察券入れて受付票出てきておどろいた。「以下の検査があります」と書いてあって、□採血、□採尿、□X線、□心電図とある。これは聞いていない。慎重なおれが見落とすわけがない、というか今予約票を見返してもそんなこと書いてない。検査前説明でもなかった。あわてて採血と採尿(これは同じ中央採血室というのでやる)へ。

 

ここで困ったのは採尿だ。事前説明でも「朝食べないで」とは言われていたし、バリウムを入れるのがおそらく尻からとわかっていたけれど、予約票に「朝から飲食を控えてください」と書いてあって、「うーん、念のために薬だけ飲んでおくか」と水分をひかえていたのだ。いやー、ほんとうにギリギリなんとか足りるラインまでしか出なかった。採尿では「出すぎる」で困ったことはあるけれど、出なくて困るというのは初めての体験だった。

 

そして、X線へ。おれの診察券を受け取った受付の人が、10時の本検査に間に合わなければいけないから、最初にX線、次に本検査、そして心電図をとって診察へ行くように指示する。うむ、間違いないようにしなければと思う。思っていたら、診察券を返されなかったのに気づかなくて、X線を前に少し時間をロスした。いや、待っているときに、「そういえば診察券帰ってきてないな」とポケットとかを探したんだけど、「連続して検査があるからいつもと違うのかな」とか思ったのだ。いやはや。まあX線(レントゲン)はいつも通り。ここでレントゲン何回目だろう。入院時は2日に一回やっていた。

 

で、次に大腸吻合部造影検査(TV透視検査とも書いてある)。本日のメーンイベント。レントゲンの人に、そのまま(検査着)、カゴ(車付き)に着替えや荷物を載せて次の部屋へと言われ、そうする。

 

そうして待合室に行ってみたら、「バリウム検査なのに朝ごはん食べてきちゃったおじいさん」が、「このままでは検査できないので、午後まで飲まず、食わずで待ってください」と説明を受けていた。

 

自分の名前が呼ばれ、更衣室に入れられる。「これに履き替えて待合室で待っていてください。穴の空いているほうがお尻側です」。ああ、やはり尻からか……。

 

で、検査室に呼ばれる。巨大なマシンがある。靴下も脱ぐように言われる。「汚れるかもしれないので」。なんで汚れる? そんなにバリウムまみれになるの? まあいい。脱いで、座ってほんのちょっと待つと、医師が来た。この検査は医師と技師と看護師の三人体制だ。トロイカだ。

 

まず、仰向けになり、横向きになり、そのまま撮影。その後、お尻を突き出してくださいとなり、「指を入れますよ」とずぶり。ああ、人間の尻の穴は意外に簡単に指が入る。もちろんワセリンかなにかがなければいけないが。そして、「バリウム入れますよ」。ついにきた、どんな感じか。一説にはパンパンになって苦しいというが……。いや、そこまでは入れなかったな。しかもなにか太い注射のようなものを想像していたが、おれの尻の感覚だと細い管のようなものからニュルニュル出された。

 

しかしまあ、苦しくはないとはいえ、奇妙な感じだ。率直に言ってしまえば強烈な便意がつづく。けれど、「薬が出ないように閉めてください」という。おれは1ヶ月以上肛門を使っていないのだ。うまく閉められているか気になる。

 

そんな状況で、上を向いたり、横を向いたり、仰向けに……はなれない。「あの、ストーマが」というと、手で上半身を少しだけ浮かしてやや苦しい感じでなんとかなった。「はい、撮影は終わりです」。

 

で、終わらなかった。「もう一度、指を入れます」と触診。「ここがちょっとな……」というようなつぶやきが聞こえる。ここがどうなんだ? その場ではわからない。それで検査終了。

 

で、バリウムはどうするの? 今おれは人工肛門の身、下剤などは使えない(使ったところで大腸まで届かない)。と、思ったら、検査室の横にトイレ室(なんかシャワーとかあったし、普通のトイレとしては使用されてないようなのでこう呼ぶ)があった。そこで出してくださいという。ついでに着替えてもいいですという。なに、ただ出すのか?

 

おれは便座に座った。尻から何かを出すために便座に座るのは1ヶ月半ぶりだ。出るのか? というか、ふんばればいいのか? ふんばるってどんな感じだっけ? と、なんかやっていると、尻からバリウムがとろとろと流れる。「あ、尻からなんか出ている!」と思う。が、これがいつまで出るのかよくわからない。終わったかな? と、思うとまだ出る。とはいえ、そんなに大量に入れられてはいないはずだ。うーん、このあたり、とふんぎりをつけてウォシュレット。まあ、なにかがあっても後悔なく捨てられるパンツを履いてきてはいる。

 

その後、えらく口数の少ない担当者によって心電図をとられて、診察へ。10時30分の予約時間ちょうどくらいだったろうか。まあ、検査が遅れたら遅れたで診察も遅れるだけなのだろうけど、それにしても知らされていなかった検査4つはどうにか前もってわからんもんかな。

 

とか思っていると、ポケットベルがなる。普通なら「中待合」という診察室の目の前の通路に呼び出されるところ、「ケア室へお越しください」と表示される。受付の人に聞いたら、場所を教えてくれる。ケア室をノックしてドアを開ける……と、だれもいなかった。ただ、歯医者の座席のようなものが見えた。また尻に指を……? と思う。

 

しばらく外のベンチで待つと、名前が呼ばれた。入ると、入院のときに診てくれた医師がいた。「おひさしぶりです」。

 

体力が落ちてしまってなどと話すと、そうですよね、などと言ってくれる。で、今日の結果の話になる。諸々の検査に問題はなし。吻合部造影検査でも漏れはなし。

 

「ただ……、この部分の段差のところが少し狭くなっていると担当医から指摘がありました」

 

よくわからないが、すごく狭いように見える。

 

「こんど内視鏡検査やるのはご存知ですよね。そこで確認して狭いようでしたら、内視鏡で拡げます」

 

……なんだそれは。そんなことができるのか。わけがわからない。が、そういうこともできるのだろう。なにせ内臓を外に出して肛門にしてしまうくらいなのだからな……。

 

で、順調にいけば手術は……2月の終わりということになった。前は2月はじめか半ばだったが、混み合っているらしい。まあそれでも最速を選ぶしかないだろう。

 

「ほかになにかありますか?」

 

というので、ストーマがひどいストレスになっていることと、そうだ、「ストーマがキューッとなる問題だ!」と思って聞いてみた。結果、筋肉が(お年寄りなどに比べて)あるから、という話だった。詳しくは前のエントリーにまとめた。AIがいくつか挙げた理由の一つだった。

 

goldhead.hatenablog.com

というわけで、今日の検査はちょっと狭い部分はあったものの、とりあえず通過した。ストーマのストレスから早く解放されたい。それだけだ。その後、ひどい排泄障害になったとしても……。たぶん。でも、年度末も在宅勤務か。こなせるだろうか。あと、ストーマ装具ももう一箱買うのがマストになってきたな。まあ仕方ない、なにせ、とりあえず腫瘍は取り切れて、とりあえず命は救われたのだから。