寄稿いたしました。
「手術できなくなりますよ」と医者に脅されて(?)から、禁酒を続けて一ヶ月くらいになる。比喩ではなく一滴も飲んでいない。休肝日もまったくなしに飲みつづけてきたおれが、どのように禁酒したかは、上の記事に書いたので、読んでブクマでもしてください。たぶん、「その2」は普通の禁酒希望者にも役立つんじゃないかな。
それはそうと、退院後、すなわちストーマ(人工肛門)になったあとも酒は飲めない。腹を壊す。というか、ストーマ造設後8週間は次のようなものがアウトだ。
- ごぼう
- たけのこ
- もやし
- きのこ類
- こんにゃく
- 海藻(ひじき・わかめ・昆布)
- ナッツ類
- 野菜
- りんごの皮・柿
- とうもろこし
- えび・イカ・貝類
- コーヒー
- アルコール
- 炭酸飲料
- 油もの
- 辛いもの
- 生クリーム・牛乳大量
- 果汁100%ジュース
これで何が食べられるのだろうか。おれがAIと話し合って出した結論はこれである。

うどん、豆腐、サラダチキン、ゆで卵、これである。大腸内視鏡検査前の食事制限は、食物繊維絶対厳禁であった。身体にいい野菜も人工肛門(イレオストミー)には厳禁だ。フードブロッケージという詰まりを起こし、腸閉塞になる。腸閉塞になったら救急車を呼ばなくてはならないかもしれないし、そんなミスで医療や他人に迷惑をかけるわけにはいかない。これで2ヶ月過ごす。足りない栄養はマルチビタミンで補う。
いや、なんならストーマ閉鎖までこれで過ごしたほうが安全だろう。早ければさらに一ヶ月なだけだ。
が、忘れてはいけないのは、閉鎖後の排便障害、これである。いろいろな方の体験談を読むと、「ストーマのほうが楽だった」というくらいの地獄が待っている。何週間もおむつが欠かせないし、頻便によってろくに外に出ることすらままならない。まともな睡眠もとれない。そしてもちろん、腸に負担にならないものを食べなくてはならない。一年〜三年はそのような生活がつづく。在宅勤務も視野に入れる必要がある。
まあ、先の話はいいとして、しかしなんだろうか、アルコールが禁じられてしまった。今はその代用としてゼロ・コーラでやりすごしているが、おそらくはカフェイン中毒になりつつある。その証拠に、昼間職場で飲むコーヒーの量がものすごく増えた。さらに帰ってカフェインだ。カフェインという毒でアルコールの代わりにしている。
が、上の一覧を見てほしい。コーヒーとあるだろう。なぜか。カフェインの利尿作用がよくない。おれが造るイレオストミーは大腸を丸ごとスルーする。人間が水分を吸収する七割くらいの場所が大腸だ。大腸が働かないとなると、同じだけの水分を飲んでも三割しか吸収できない。水分補給を怠ると脱水症状になる。そんなミスで救急車を呼ぶのは許されることではない。なので、カフェインは飲めない。とりあえず、ノン・カフェインのコーラを試すつもりではあるが。
いや、しかし、炭酸もガスのもとになるのだった。とはいえ、飲んですぐガスになるらしいので、一人自宅で飲む分には問題ないだろうか。これも試行錯誤だ。
しかしなんだろう、アルコールもカフェインも野菜も摂れない。おれの食生活は野菜が中心だった。まあべつに自炊はどうでもいいが、外食ができない。中華街の粥屋に行くくらいしかないが、野菜やゴマや海苔を避けて食べる必要がある(いや、注文するときに具は一切無しにしてくださいと頼めばいいのだろうか?)。
まあなんであれ、これでどうやって暮らしていけるかわからない。おれはアルコールで脳を壊さなければ正気を保てないので酒を飲んできた。今はなんとか我慢している。カフェインの過剰摂取で脳をおかしくしてる。それでなんとか正気を保っている。それまでできなくなったら、いったいどうすればいいのか? 処方薬のレキソタン(ベンゾジアゼピン)では足りない(一日三錠の処方で、夜にまとめて二錠くらい飲むとそこそこ効くが、カフェインとの合わせ技である)。
脳になにか有害な快楽を与えなくてはいけない。しかも、合法的に。なにがあるだろうか。ひとつ思いついたのはタバコである。おれは二十年以上喫煙習慣がないが、べつに禁煙したという自覚はない。好きな銘柄が廃番となり、さらに値上げがあって、好きでもないタバコを高く買うのが馬鹿らしくなってやめた。なので、おれの自覚としては、おれはたまたまタバコを吸っていない喫煙者なのである。ニコチンとタールで依存状態を作り出して、精神を正気にする。一つの方法だ。
もう一つ思いついたのはギャンブルだ。おれは競馬をしている間は酒を飲まない。酒を飲む必要がない。博打に集中できる。ならば、家に帰って寝るまでの間、ギャンブルをすればよい。幸い今は、ミッドナイト競輪などもやっている。もちろん公営ギャンブルの合法アカウントはすべて持っている。
タバコか、ギャンブルか、このどちらかで、おれの脳は健康になるといえる。医者に話したら反対されるだろう。しかし、向こう三年、素うどんしか食えない生活の中、なにを頼りにしていけばいいのだろう。なにかなければまずいことになる。おれは自分の脳を壊していかなければ、将来不安で正気ではいられなくなる。おれはすでに手帳持ちの精神障害者なのだが、これ以上狂いそうな予感がしてならない。なにか中毒を見つけなくてはならない。

入院前にAmazonギフトカードお恵みいただきました。ありがとうございます。今までいただいたギフトカードでAmazonのブラックフライデーでも入院と入院後のためのなにかをいろいろ買いました。これまでいただいた食べ物のいくつかは食べられなくなりますが、保存のきくものなのでいつかいただきます。
あと、来週月曜から十日間以上の入院ですが、ギフトはいつも受け付けています。いや、まあ、リストも入院後用にします。
とりあえず、以上。


