
寄稿いたしました。
まあ、書いてあるとおりです。ブログやXの音声配信で話してきたことのまとめみたいなものです。現状の人工肛門(ストーマ)も地獄、それを閉鎖したあとのLARS(排泄障害)も地獄、という話です。直腸がなくなることに対する想像が足りなかった自分が、いかに頭が悪かったかという話です。
……って、わかってんだよ、おれも。おれがべつにたいした病気、たいした希少がんじゃねえってことは。横の比較はしません、とかいっても、いろんな闘病記、体験談読んでたら、おれなんて軽いよ、吹けば飛ぶように軽いよ。XのおすすめTL読んでると、なんかがん当事者の書き込みがたくさん目に入ってくるんだけど、おれの神経内分泌腫瘍という希少がんは、抗がん剤もないしさ。あと、転移もなかった。病理検査の結果はそうだった。横で比べたらおれは恵まれているほうだ。そういう人や、永久人工肛門を余儀なくされた人からみたら、おれなんて殴り倒したい愚劣な人間に見えるだろう。
けどな、どれだけもっと重病の人の悲痛な話を見聞きしても、何発殴られても、おれが抱えるおれの苦しさは軽くなったり、消えたりはしないんだよ。べつに余命宣告された人のポストを見ても、おれの気持ちが前向きになったり、楽になったりはしないんだ、これが。それはおれの想像力や共感性が足りていないせいかもしれないが、これは事実だから書き留めておく。おれはおれにストーマが造設されたことが苦しいし、LARSになることも苦しい。
あ、外で健康そうな人(見た目ではわからないのは承知だが)を見かけると、「うらやましい」というより、「別世界の人だな」という感じです。
まあ、そういうわけで、おれはおれより大病の人からなにを言われようがおれの苦しさについては語りつづける。というか、べつにここは闘病ブログじゃねえんだよ。おれの日記だよ。長い長い日記だよ。そして書き手であるおれにどうしようもないくらいでかい出来事が起きたから書いているんだよ。そういう意味で、「こんなに苦しい病気だから書いて伝えたい」という動機からはじまったわけではないので、ネットにおける重症バイアスからは少し距離があるかもしれない。かといって、おれは昔から精神障害者なので、その点なども考慮して読む必要はあるだろう。
そして、縦の比較となると、大腸内視鏡検査を受けるときはこんなんなるとは思っていなかった。そもそもはたった一回でおさまった血便をLINE通話で話していたら、検査を今すぐ予約しろという話になって、話しながらiPhoneで予約したことからはじまる。それに生命を救われたり、もっと痛くていやで取り返しのつかないことから逃れられたのは事実だし、よくわかっている。最大限の感謝をしている。比喩でない「生命の恩人」ができた。
が、なんにも自覚症状なかったんだよ。おれの腫瘍はまだなんにもしていなかった。だからなんか、いま自分が追い込まれた状況というものをすんなり飲み込めないところはある。それも嘘じゃない。写真で見せられた腫瘍、CTやらなんやらで見せられた色、それだけで、こうなっているのかという、実感のなさがある。実感はないのに、おれの直腸は切除され、人工肛門が造られ、今度は腸にバルーンを入れてふくらませる。なにが起きているんだろう?
まあしかし、もうおれは病院に行くときは心を無にしようと心がけている。言われるがままに検査も受けます、施術も受けます、痛いのも、不快なのも我慢します……。でも、その行き着く先が一生の排便障害。外に出られない。毎月の精神科通院はどうしよう。虫歯ができたら歯医者には行けるのか? 髪を切りたくなったらどうしよう。全部、絶食で切り抜けるか。それにしても、尻の皮膚がひどいことになったらどうしよう。市大病院に通いつづけるのか、どこか消化外科、それとも肛門科、皮膚科……よくわからない。
こんなことに精神を支配されて、人生を支配されて、その先になにがあるんだろう。なにもないな。引きこもる金もないし。だから、なんかくれ。以上。
