【大腸NETの話】入院前最後の通院

水曜日、入院前最後の通院。病院の中の五ヶ所を巡るクエストの多い日。もう検査という検査は終わっているので、主に入院についての説明と、医師による手術の詳細説明。

 

1.薬剤面談

薬剤師の人に、いま服用している薬を報告して、病気や手術、入院中のあれこれについて話す。おくすり手帳があるので楽だ。おくすり手帳ができる前は、いろいろ面倒だったろう。まあ、おれは毎月通っている精神科からの処方薬三種だけなので簡単なものだが。やはり薬は問題なし。あと、ほかに市販薬や健康食品(サプリ)を飲んでいるか聞かれた。とくに飲んでいないが、サプリとかもなにかに干渉したりすることもあるのだろう。

 

2.栄養指導

栄養士の人に指導される。入院中の食事のアレルギーとかの話かと思っていたら、普通の栄養指導でたいへんためになった。まず、プロ仕様の体重、体脂肪、その他計で測られて、あと何十年かぶりに握力測定をした。結果、体重は標準体重ギリギリオーケーだが、体脂肪はオーバーみたいな感じに。そして、日頃の食事を詳細に聞かれる。おれは毎日ほぼ同じものを食べているので、詳細に答える。なにか、おれの体重、体脂肪と整合性が取れていないという感じで、「うーん、よほど食べているか、動かなすぎるか……」と悩んでいた。が、「お酒は飲みますか?」と聞いてきたので、「ここ一ヶ月ぐらいは手術のために完全断酒していますが、それまでは純アルコール量で毎日40gぐらい飲んでました」と言ったら、すっきりした顔で「それで納得できました!」と言われた。まだ体重にそれほど変化はない時期というが、このまま酒を飲まないでいると減っていくという話だった。ちなみに、血液のなんとかいう成分から、栄養とエネルギーは摂れているらしく、今の食生活に問題はないらしい。べつに夜に炭水化物とらんでもええのや。

 

3.麻酔科外来

全身麻酔するのでその説明。最初は看護師の人が実物の麻酔注射や喉に入れる管などを見せてくれて説明。あと、「近ごろコロナやインフルエンザの予防接種を受けましたか」と聞かれたので、「あ、それお聞きしたかったんですが、これからインフルエンザ打っても大丈夫ですか?」と逆に聞き返した。手術のときにインフルエンザで熱出していたらまずいだろう。ただ、前の診察のときに聞きそびれたので気になっていた。注射は嫌いだが、入院、手術日程がずれるのは困るので、オーケーなら打つつもりだった。が、返事は「今はだめですねー。うつらないように頑張ってください!」とのことだった。打たないでおいてよかったかもしれない(これはおれのケースなので、手術前の予防接種については主治医に聞いてください)。そのあと、口腔外科の人に歯を診てもらい(喉に管をぶっ刺すときにグラグラの歯が抜けたりするらしい)、最後に麻酔科の医師による説明。「背中にも刺すってさっき聞いたのですが、痛いですか?」と注射への恐怖心から聞いてみると、「下手な人が刺すと痛いかもしれませんねー」だと。いや、その返答は病院としてありなのか? まあいい。なにか同意書みたいなやつにサインして終わり。

 

4.入退院支援センター

入院時の身の回りのこと、持ち物、入院生活のことについての話かと思ったら、むしろなんというか、お年寄りに介護や介助が必要かどうかみたいな話がメーンだった。なので、一応まだ若いおれは問診票に書いていった「いいえ」のチェックの確認で終わった。一つ、「気がふさぐことがある」に「はい」を入れていたが、「双極性障害なので」ということで話は終わった。

 

5.診察(消化器)

この日のメーンである。メーンなので母を呼んでおいた。べつに事前に言われてはいなかったが、手術となると家族のサインが必要とかになると、いたほうが話も早いと思ったからだ。4までは非常に早く、予約時間前に終わってきたが、この診察はえらく待つ。まあ想定内。で、診察に入る。「今日は母連れてきちゃったんですけど」、「もちろんいいですよ」。で、一応母がいるからか、もともとそうなのかわからないが、簡単なNET(神経内分泌腫瘍)の解説から。それで、なにか分厚い手術説明書みたいなものが用意されていて、それを見ながら説明を受ける。「こことここを切って繋げます。その間、人工肛門を造設します」という説明のとき、おれが「コロストミーですか?」と聞いてみると(事前に調べたりAIに聞いたところ一時造設はコロストミーが多いということだった)、「いや、イレオストミーです」とのことだった。コロストミー(大腸に造設)とイレオストミー(小腸に造設)。安全性が高いなどの理由でイレオストミーとのことだった。そうなると飲食したものは水分を吸収する大腸を通らない。なので、脱水症状に注意が必要になるとのことだった。

 

質問はありますかとのことだったので、「入院期間はどのくらいになりますか?」と聞くと、「最低10日間は見て下さい」とのことだった。というか、説明を受けたときに、術後2、3日もいろいろ管つけっぱなしということを聞いて、一週間じゃ帰れないかもと思っていたので納得した。あとはおれの体調とストーマの扱いの習熟度合いによる。仕事復帰についても明確な答えはなかったが、排尿機能に障害が起きることもあるし、最初は在宅勤務できるならそうしたほうがいいのではという感じであった。

 

母からなにかあるか一応振ってみると、「手術に立ち会いは必要ですか?」と言った。医師は「うちはべつにどっちでもいいですよ」とのことだった。「旦那の結腸手術のときは、病院に来るなと言われたんですよ」などと言っていた。べつに立ち会う必要もないので、「では、一応、終わったら電話入れて下さいますか」、「いいですよ」ということで終わった。「ほかになにかありますか?」と医師が言ったら、母は「信頼していますので、大丈夫ですよ」と言った。それで話は終わった。同意書とかそういうのはなかった。

 

6.看護師による入院の説明

診察が終わって母が帰った。おれはちょっと待つように言われて、なんか呼ばれた。呼ばれて行くと、看護師さんがいて、入院の説明をするようだった。おれが「入退院支援センター」でやるかと思っていた説明が始まった。しかしなにより気になったのは、ストーマ装具の実物サンプルが机の上のあったのだ。で、入院の説明の方は、手術日と次の日はレンタルで手術着が必要なことや、コインランドリーはあるにはあるが、台数が少ないので使うのは難しいということ、面会のこと、外来棟も弱いけど、入院棟もWi-Fiが弱いことなど、たいへん参考になった。

 

話はストーマになった。「ご不安ですよねえ」と心配してくれた。ご不安なので調べまくっていますというと、「あまり調べないほうがいいですよ」とのこと。軽く説明を受けるが、なにせ実際におれの人工肛門ができてみないことにはパウチ選びもなにもないので、まあ調べすぎても、ということか。それで、「ちょっと触らせてもらってもいいですか?」とパウチを渡してもらう。なんか想像より大きい。ストーマの模型も想像より大きい。書籍の写真やネットの画像、動画などで見て想像していたより、大きい。でも、このくらい大きくなくては、成人の便を入れておくことはできない。むしろ、おれの想像のサイズであったら排出や交換がたいへんだったろう。いや、しかし、想像以上に大きかったな。うん。

 

まあ、そんなところ。またいろいろ用意するもの(紙おむつ2枚、クッキングシートなど)ができたので、必要品を整理して週末に買い物にでも行こう。

 

今日のところは、以上。