女が「通勤電車で読む本がない。なにか貸せ」というので、適当にみつくろって3冊の文庫本を渡した。「字が小さい」という理由で2冊却下されて、女が手に取ったのは深町秋生先生の『ダウン・バイ・ロー』だった。おれはまだ『ダウン・バイ・ロー』を読んでいない。女はあっという間に読んでしまった。
「次」。おれは村上春樹と和田誠の『ポートレイト・イン・ジャズ』を渡した。字が大きく、行間も広く、絵と写真でいっぱいだ。だが、女はジャズに興味がなかった。おれはおれなりにジャズとか聴けばかっこいいじゃん、と思って読んでいくらか聴いたがジャズに興味が湧かなかった。
そのあと、また3冊渡した。高村薫『李歐』、ジェイムズ・エルロイ『獣どもの街』、車谷長吉『赤目四十八瀧心中未遂』。文字の大きさに不満はないようで、3冊持ち帰った。エルロイの『獣どもの街』、たぶんおれは未読だ。
おれは押し入れからなにか本を漁るとき「これは未読だな」という本を手前に持ってくるという習性がある。しかし、おれはすばらしい横浜市の図書館から本を借りまくっていて、そちらの締め切りがあるので、買った本を読むのは後回しになってしまう。おれの未読の本は溜まっていく。人が先に読むこともある。この世には読み切れないほどの本がある。
<°)))彡<°)))彡<°)))彡
- 作者: ジェイムズエルロイ,James Ellroy,田村義進
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/10
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (24件) を見る