そして、真田はストレートを投げつづけ

 投手交代が告げられて、真田がリリーフカーに乗ってやってくる。頭の中に思いうかべた真田より、一回り大きい。太っているようにも見える。そして、真田はふてくされたような雰囲気で投球練習をして、打者と対峙する。真田は140km/h台の速球をズバッと投げてあっという間に2ストライクに追い込む。しかし、そのあと3つめが取れない。ストレートがボールになり、ストレートがカットされる。解説の平松が「決め球がありませんからね」と言う。真田はストレートを投げつづけ、フォアボールでバッターを出してしまう。そして、真田はストレートを投げつづけ、2ストライクまで追い込み、ボールになり、カットされ、ヒットを打たれてしまう。そして、ベイスターズは当たり前のように負けて、俺はテレビのスイッチを切る。窓の外からスタジアムの空気は伝わってこない。少しだけ、秋の涼しさがあった。