帰宅してテレビをつければツーアウト満塁で打者井上一樹。建山義紀の変化球を強く引っ張って痛烈な当たり、一気に反撃か……と、思いきやファール。一見、フェアかと思ったがファール。いやはや、線審がいるのは大切なことですね。結局、このしびれる場面、インローに今度はきっちり沈めて建山の勝ち。そのあとの中日、絶不調の荒木が四球で出て、井端がしぶとくつないでチャンスも、あとが続かず、悲しいほどつながらない。最後はまたもやMICHEALに締められて試合終了。完全の完全に流れは日ハム。
ヒーローインタビューは金村曉(id:goldhead:20060925#p3)。あの失言というか暴言は、長い日本プロ野球史上でもかなりの上位ランクだろう。野球の新天地北海道、引退を表明した新庄、短期決戦プレーオフ、日本シリーズ、四十四年ぶりの日本一へ向けて……といった、あまりにもタイミングが悪く、悪く、悪すぎるものだった。だから、この試合も金村がぼこぼこに打たれたりしたら、負の力がファイターズに降りかかっても仕方ないところだった。ところが、なんとかしのいでの五回無失点(見られなかったけれど)。一歩間違えればひどいことになっていた丁半博打、ここで金村を起用したヒルマン監督の慧眼と自信も見事(もちろん投げた金村も評価すべきだが)。つーか、五回ツーアウト、マウンドでどんな会話をしたんだろう? 福留勝負かどうかということの相談のようだが。
しかし正直、いちいち帽子を脱いで頭を下げる金村もなんだかなと思ったし(頭は丸めておいた方がよかったんじゃないか?)、ヒルマンがお立ち台でプライド、プライド言うのもシアトリカルに思えないわけではなかった。が、それ以上にやはり、マイナスがプラスに転じる効果、それを強く感じた。この投球で納得いかなかったファンもいるかもしれないが、それ以上に、チームを優勝へ向ける推進力として、金村歓迎ムードを作り出すこと。また、そういう芝居がかった空気を作るのに、‘宇宙人’新庄剛志が築いてきたものも小さくはないかもしれない。
ただ、これで明日でシリーズが終わっても面白くない。中日に意地を見せてほしいもの。でも、なんとなくだけれど、中日は完成されすぎているチームなのかもしれない。総合力はあっても、一発の爆発力がない。常に好走はするけれど、肝心の大舞台で勝てない馬というか。いや、シーズン優勝がG1何個分かはわからないし、まあ、単に最後の一押しの見られないこのシリーズでの試合から連想している、短絡的な印象には違いないのだけれど。つーか、明日あたり爆発してみせてくれよっと。
※ほかに気になったところ
- ‘サイレントK’石井裕也が二番手登板で打たれていた。ひいきにしているだけに残念。しかし、中日は出てくる投手若いな。いや、日ハムもか。
- 岡島秀樹は見違えるようだな。いや、相変わらず放るときに打者の顔見ないけど。ストレートに自信を感じる。前はカーブがストライク入らなかったら、それで終わりという脆さが目だったのだけれど。
- ‘KONTA’と背中に書かれた選手が出てきて、‘秀太’の仲間かなにかと思ったら、紺田敏正選手、名字だった。あと、負傷の中島聡に代わってキャッチャー鶴岡と聞き、「横浜とトレードあったんだっけ」などと思ったら、鶴岡一成ではなく鶴岡慎也捕手だった。横浜は横浜でも、三菱重工横浜硬式野球クラブ出身。やはり最近野球に疎くなっている。