安酒にしか救いのない人間をどうしてくれようか

 村上春樹がなんか言ってる……が、IDがないから読めない……。でも、無料会員登録すれば読めるので読んでみた。そりゃあ、ぼくらの言葉がウイスキーだったらいいさ。第一感はそれだった。ザ・マッカランか、ラガヴーリンか……おれはラフロイグがいいな……。でも、もうそんな余裕のあるやつがどれだけいるんだろう……。文化的に、顔と顔を合わせて、あるいは……異国の地で……、おれには、すくなくとも縁のない話だ。安酒に酔うしかないやつが、そこらをゾンビみたいにほっつきあるいてる。おれだって、たかだかたまたま生まれた股ぐらのあった場所で、人間がいがみ合うのはさ、たいていばかばかしいとは思うけどさ。ワンカップ大関の空き瓶片手に、それこそ、安酒に酔ったやつがゾンビみたいにほっつき歩いてきて、おれの行きつけのコンビニに入って、島がどうのこうの大声で叫んだんだ。寿町のじじい……酔ってて、それで、中国人の店員、店のおかみ、客、おれ、どうしたっていうと、完全にスルーしてあしらったんだ……。なぜならば、安酒に酔って、わけのわからないことをがなりたてる、粗暴で、単純で、そんなやつ、なんにも珍しくない……。国と国とがもめようが、仲よくしようが、もう、終わってんだ、おれも、あのじじいも。それで、毎日のように、もうご破算になった現在と、望みなんてこれっぽっちもない未来があって、そう、毎日のように、自死か、路上か、刑務所か……、おれは最後の一つに身を捧げたやつに、「人生をかけている」か、「ラーメンが獣臭い」ってタグをつけるのにいそがしい……。しかし、その一瞬の快楽のために、ときに人間は三十代で年収五百万円だって棒にふってしまう……、不況や時代と関係なく。かく言うおれは脳の薬とコンフリクトしないように、酒は飲まないようになってひさしいけれども……、死ぬときはたぶん安い白ワインをがぶ飲みして、どうにかするのだろう……。スコッチは死ぬ気を失せさせるくらい、いい酒なんだが、たぶん買う金もなくなっているだろう……。主治医に、国民年金の未納の話をして、とてもじゃないがそこまで生きられる感じはしないって言ったら……、薬のんでれば七十まで生きるかもしれないなんて言うんだ……。まあ、たしかにアルマールはいい薬で……、おれはネズミの時間からゾウの時間を生きることになるのかもしれないが……おれは死にたがるくせに、健康にいいことばかりしている……生き地獄のゾウ、熊を放ったらどうなるのだっけ……。脱法ハーブ煙草って関内で売ってるんだろ……まあ、買う金はないが。ああ、こっちのブルースは加速しているんだ……、頭のよさや魂の高潔さ、階級の違うものどものことなど、考えるだけむだな話だ……。おれは正直いって、掠奪する気まんまんで暴動に参加したやつが好きだ……、それ以外は好きじゃない。万朶の桜か労働者……。おれはかろうじて働く場があって、だからどうなるっていうのだ。もう、わりと疲れたし、ああ、どっかネットで、親の会社が倒産しそうだといってたニート、下手にやる気を出すもんじゃねえよ……、あるいは、おれくらいの……まあいい。おれの片手は安いチリ産の白ワインにもう伸びかけている……、いや、せめて死ぬときは聖母の乳でも……。貴族に生まれたかったとか、おれももうすこし、かしこく生まれたかったとか、そんなこと思うか、思わないか……。あんがい、ペトリヤコフPe-2のこととか、……ルイスビル・スラッガーの金属バットとか……よくしらないことを、考えながらかもしれない……。衣替えの季節になって、今年の冬を越せる感じがますますしない……。それに目をつぶってたら、夏らしさなんてものもいっこうに感じずに、ばかみたいに夏の香りをさせるオードトワレだけ大量に残して……いつもそうだ……。おれがどっちがわの人間かといえば……わかるだろう? まるで高貴なんだよ、まったくの。それがわからんやつらばかりだから困る……。おれがほしいのは手にしっくりくる金属バット、安酒の酔い、二日酔いにさいなまれない、永遠の安息。