- 作者: アントン・パーヴロヴィチチェーホフ,浦雅春
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……で、あらすじ知ってるわけなんだけど、なんだかこのねえ、おれがおれについて最も書きにくい部分を刺激されて困った。すなわち、鎌倉の家を手放すことになり、一家離散するときのことだ。ああ、夜逃げのように。おれは急に庭のカキノキだのウメだのアカマツだのライラックだの、あるいは玄関先のツツジだの、やたら生えてきて困るタケだのに愛着を感じ、窓から見える景色に感傷的になったり、父親を殴ったり、いろいろの手続きで一足早く出たがために、一番ひどい状況を弟に押し付けてしまったり、その負い目があったり……。しかしなによりも、金のないために家を手放す、家がなくなるという、そのこと!
って、これもまたロングで、遠くから眺めてみれば喜劇にすぎないのかもしれない。チェーホフは『桜の園』をあくまで「コメディ」だとしたという。解説によるとね。それで、ナボコフ曰く「現実がときに陰鬱に見えるとすれば、それは近視のせいだ」ってさ。
そう考えてみると、『桜の園』の登場人物たちも妙な連中だし、言うことやること滑稽だ。そして、深刻な話をしているときに、スッと外すあたりとか、笠原和夫の言ってたアレかとかおもったり(違うかもしれないが)。それでもって、なにかこう、囚われたものから自由になっていく、失う段になって大切だと気付かされ、それでも失って、なお新しい希望のようなものがある、明るさがある。このあたりは『闇金ウシジマくん』のフリーターくん編だぜ。まったく。
という具合で、『桜の園』。併録されていた『熊』はどこかで映像として見たような気がするが、思い出せない。
- 作者: チェーホフ,松下裕
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そうだ、『ユモレスク』のほうの解説にこんなこと書いてあったな。メモしておこう。
チェーホフはユーモア週刊雑誌の寄稿で生活するようになってから、印刷されて一行何コペイカのひどく安い稿料に堪え、注文を逃さぬように、人々に読まれることだけを心がけて書きつづけた。そして、「簡潔に短く書くこと、笑いによって読者を引きつけること、機知を働かせて話を展開すること」の三ヶ条を堅く守った。とりわけ簡潔に書くことは、笑いの効果を最大限にあげる芸術的表現のためにも不可欠だった。そうしてそれは、生涯にわたっての彼の文章規範でありつづけた。
セミョーンとかだらだら書いてる時点であかんわ。ほな。
>゜))彡>゜))彡>゜))彡