広島はCSファーストステージで2連敗し、今季の戦いが終了。今季限りで退任する野村監督は「ここぞという場面でのあと1本、ここぞという試合で勝ち切ることに期待したい」と来年以降の課題を口にした。
今季限りの野村監督 残した課題は「ここぞという試合で勝ち切る」― スポニチ Sponichi Annex 野球
レギュラーシーズンは残り2戦で1試合でも勝てば2位が決まるという状況まで持ち込みながら、2連敗で3位。CSでも1勝もできず、14年の戦いが終わった。
首位・巨人に1ゲーム差に迫り臨んだ9月2日からの天王山で3連敗したことが巨人独走を許してしまった最大の要因とも振り返っていた指揮官。勝負どころでの手痛い敗戦が目立つ1年だった。
もうこんなチームのファンは辞める。今の野球には興味が持てない……などとぶつくさ言いながらも結局は骨の髄までカープファン。とはいえ、CS有料放送に加入するでもなく、すぐそこの横浜スタジアムに足繁く通うでもなく、日々のネット越しの情報と、たまにやるtvkの放送程度の知識しか持ちあわせておりません。
なので大きなことは言えないから小声で言うけれども、これはこの記事の、野村監督の言う通りだったな、と。あの巨人3連戦だったな、と。そして、後出しで言うのもなんだけれども、この状況でCS勝ち抜くのは無理だったのだろうな、と。阪神の事情は知らなけれども、CSだけ言えば、今年は去年みたいな上り調子で迎えられなかったな、と。
しかしまあ、それにしても巨人の強さよ。いや、阪神とやってどうなるかわからんけど、ともかくペナントレースを勝ち抜いたわけで。しかもなんというか、傍から見ていて盤石とか圧倒的とか、そういう感じしなかったもん。しなかったのに、肝心なところで勝ち切る。以前どこかで「勝ちは勝ちなので《切る》をつける必要があるのか」というような言葉についての記事を読んだような気がするけど、やっぱりこの感じは「勝ち切る」だよな、と。序盤、広島はいい調子で勝ちを重ねていた。けれど、勝ち切れなかった。交流戦も毎度のことながらひどかった。
原因もいろいろあるだろう。一岡の故障、エルドレッドの急激な不調、中田、中崎の負担、元から不足している左の中継ぎ……。やれるだけやって、それでも足りなかった、届かなかったという印象が強い。紙一重の勝負の運というより、やはり層の厚さで……まだ足りないんだと。最後は刀折れ矢尽きたな、と。
もちろん、不調の時期はあったとはいえエルドレッドは本塁打王だし、投手も野手も(困るくらいに)外国人は当たりまくりだった。ロサリオ、ヒース、困ったときに助けてくれた。そして言うまでもなく、若手野手陣の目覚ましい成長。これには拍手をおくりたい。実のところあまり野村監督は好きじゃなかったのだけれど、監督の功績であるのならば、自らの不明を謝りたいと思うほどだ。さようなら、野村監督。
……というわけで、来シーズンはやってくる。新しい監督は緒方なのかどうなのかしらないが、やってくる。前田健太がチームを去るのかどうかもわからないが、やってくる。今、順調に伸びている選手がそのまま伸びていってくれるのかもわからない。ベテランの大復調があったりするのかもわからない。なにもかもわからない。わからないが、少なくとも今年は終わった。5位定位置時代からすると、これでもか、という思いもあるが、まだまだ足りないというのが現実だった。来年こそは、やってくれるのか。おれが生きているうちに、プロ野球で広島優勝の四文字を見ることができるのか……。できることなら、見てみたいものだが。