『SHIROBAKO』はたいへんよかった

 おれは深夜アニメというものを見はじめて3〜4年になるが、いまだアニメーションなるものがいかなる手順で作られているかぼんやりとしかわかっちゃいなかった。それがこの『SHIROBAKO』のおかげで……などとは言いたくない。なんていうんだ、たしかにそういうお仕事の内側系の作品だし、たいへん勉強になった。けど、こいつはそんな枠に縛られない、それよりももっと、たいへんすばらしい、ベリーベリナイスな作品だったんだぜ。思い返してみろよ、最後から一つ前の作品の、ラストのあの宮森の泣くとことか、おれも泣くわ。かなわんわ。それでいて、わりとひろいシリアスとギャグの振り幅があって、それでいて、うーん、そうだ、すげえたくさんの人が出てきてさ、主要キャラ5人ってのはもちろんあるんだけど、ともかく人が多い。そして、その「人が多い」ってえのがアニメづくりってもんなんだぜっていう(今はフレデリック・バックみたいのの話は置いとくとして)、そこんところが最終話とかのクライマックスにつながってきてて、なおかつ、この作品自体がアニメだってことで、ああ、このスタッフロールにはそんだけの人間が関わってんだなあってのがあって、なんか熱いものがあるじゃん。あるわけじゃん。ATG系とは違うわけじゃん。ようやってくれるよなあ、いいよなあって思うね。もう、アニメの世界に入りたいって思うくらいの勢いよ。あ、二次元の世界にも行きたいけど、業界という意味で。そういう意味じゃ、出会うのが20年遅かったなあって思うくらいのもんよ。え、絵心? 小学五年生まで油彩習ってたけど下手ですが。声? 妙に甲高くて嫌いですが。進行制作? 人嫌いなんですが。……って、できるのは、そうだな、今の仕事でたまにイラレのライブペイントで色塗ったりして、仕上げとかいうのか、それくらいなら……って、甘くないですか。そうですか。あー、しかしあれだね、夢や目標があるってのはいいことやね。ドーナツやね。ドーナツの穴なんよ。ドーナツの穴は食べられるし、食べられない。わかる? おれにはわかんないけど、そういうことよ。いや、ともかくいい完成品を観られたって、そう思ったね。これはもうね、裏側のことはわからんけど、拍手喝采ってもんです。お見事です。マジで。そんじゃ。