- 作者: 原田久仁信
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2013/08/07
- メディア: 単行本
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とはいえ、これは読ませる。この妙な味わいはなんともいえない。とくに各話の終わりがいい。スッと何らかの余韻を残して終わる。これは癖になる。たまらん。
たまらんといえば、内外タイムスの終わりが描かれているのがよかった。内外タイムス倒産!「ゴマシオ百年の孤独」である。
なぜかといえば、おれは内外タイムスの読者だったからである。競馬欄目当てであったが、おれは内外タイムスを買っていた。東スポに寝返ったとはいえ、内外タイムスを毎週末買っていた人間だからだ。
リアルスポーツと名を変え、裏でそんなことになっていたとはなあ。なんか泣けてくるよ。そして、ガルシア=マルケスと焼酎の『百年の孤独』とを織り込んで、やっぱりスッとなんかの余韻を残して終わるんだよなあ。なんともいえねえなあ。悲しいなあ。でもいいなあ。
というわけで、こいつは予想以上にすげえおもしろくて、いい劇画だった。これから「プロレススーパースター列伝」を読みはじめるかというと、そこまでじゃねえけど、いや、それでもこの『地獄変』はすげえよ、馬場元子さんは「デ……デケエッ!!」よ。いやはや、よくわかんねえけど、みんな読むべき。そう思った。おしまい!