never young beach 『YASHINOKI HOUSE』-冴えない夏に向けて聴き込もう-

YASHINOKI HOUSE

YASHINOKI HOUSE


 Amazonで一時品切れになっていて、定価の二倍になっていた。あたまの中で新しいCDを売っている店を検索してみるが、それもあまり思いつかない。どうしたものかと思っていたら、再入荷したのか定価で買えた。
 そんなことはどうでもよろしい。

 これはいいアルバムです。音楽というのを「どういいのか」と説明するのはむつかしすぎてどうしようもないのだけれど……。たとえば、あまり知ってるとはいえないが、はっぴぃえんどに似ているとか……。おれの好きなものの中では、くるりゆらゆら帝国に通じるなにかが少し含まれているかもしれない、などとは思う。まあ男性ボーカルの邦楽バンドなのだから何か似ていて当然なのだろうけど。
 そうだな、あとはなんだろうね、実際のところほかのバンドのほかのアルバムとくらべてどうだとか調査したわけじゃあないけれど、一曲一曲が短めに思える。いい曲だと思って買ってフルで聴いたら思いのほか長い、なんてことはあるけれど、その逆というかなんというか。「もっと長くてもいいけど」と思うのだけれど、潔くスパッと出しきって終わるのである。まだまだ聴きたい、くり返して聴きたいという思いが残る。おれがラジオで聴いて「これは」と思った「どうでもいいけど」もそうだし、あるいはそれ以上に「あまり行かない喫茶店で」か。

 あたまの中でサビのフレーズが繰り返される。思わず聴きたくなる。ふと聴きたくなる。イヤホンをささないiPhoneから直接鳴らす。それでも様になる。むしろ、古いラジオからふと流れてきたりするほうが似合っているかもしれない。どこか懐かしくて、ひどくむなしくて、外は夏で……。
 おれはしばらくこのアルバムをくり返し聴き続けるだろう。走りながら聴いたりもするだろう。悪くない。でも、おれはこのバンドの素性というか、背景というか、そういうものはまったく知らないといっていい。以下のリンクでも見てください。以上。