おれはあまりデヴィッド・ボウイの死について語れることはない。すべてのアルバムを追っていたわけでもない。初期のいくつかの名曲を好んでいただけだ。
お別れの曲は、まあ豫想通りですが、ボウイの「ライフ・オン・マーズ」と致しませう。私は此より美しい音樂といふものを、なかなか思ひ附かない。
いくつかの名曲を好んでいた? そのとおりだ。とはいえ、そのなかに「Life On Mars?」がある。おれはデヴィッド・ボウイを最高に好きなアーティストといえるわけじゃあないが、なにか人生最高の曲は? となると「Life On Mars?」が入ってくるである。私はこれより美しい音楽というものを、なかなか思いつかない。その通り。
デビッド・ボウイさん死去=英ロック歌手、映画でも活躍 (時事通信) - Yahoo!ニュース
というわけで、この訃報にはいくらかの反応をもってしなくては、などと僭越ながら思い、こんなことを書いている。「Life On Mars?」より美しい曲? 「Space Oddity」か「Starman」か「Ziggy Stardust」か。
……まあ、おれはボウイの詳しい歴史を知っているわけじゃあないけれども、初期の曲に好みが偏っているというのはいえるだろう。おれの好みの極みにあったといっていいだろう。惜しむらくは、世代のずれがあるということくらいだろうか。
というわけで、おれはなんといっていいかわからない。なにせ新しいアルバムの話すら知らなかったくらいだ。とはいえ、おれにとってとても美しい音楽を送り出してくれた人が亡くなった。それはやはり惜しいことなのだ。きっと。