おれの女は怒りながら『おそ松さん』を観る。そういうことである。「おれの女」などと言ってはみたものの、おれより二回りも年上なので、その力関係は言うまでもない。そういうことである。ただ韻を踏みたかっただけでもあるし、どう表現していい関係かもわからないというのも正直なところである。
して、おれの女は怒りながら『おそ松さん』を観る、のだ。元はといえば、第一話を観たおれが「いま『おそ松くん』の続編のような『おそ松さん』というアニメをやっていて、非常に下らなくておもしろい」とすすめたところにある。それならばと、トルネで録って、おれの女は『おそ松さん』を観はじめたのである。
でもって、怒りながら見ているのである。曰く「非常に下らない」、曰く「全員ニートとはけしからん」……。おれが世の中の『おそ松さん』人気を伝えるたびに「まったく、あの下らないものが!」と怒るのである。そのわりには、毎回欠かさず観てるのである。区別がつくののはカラ松と十四松という。昔はハタ坊が好きだったという。
おれはおれの女が大好きだし、『おそ松さん』も大好きである。