『機動戦士ガンダム THE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』を見る

 おれはRX-79世代であって、物心つくどころか、生まれたときには『機動戦士ガンダム』が始まったのである。おれはニュータイプでもなんでもないので、赤ん坊のころに『機動戦士ガンダム』を見ることもなければ、理解することもなかった。おれと『ガンダム』シリーズとの出会いはガン消し、カードダス、ファミコンディスクシステム?)、小説である。SDガンダムのビジュアルを頭に、少々難しく、ときどき小学生にはエロい小説を読んで、一年戦争を、グリプス戦役を頭に構築していったといってよい。
 『ガンダム』の再構築。このアニメの原作である安彦良和の漫画はそういったものだろう。なにかこう、こないだ一気読みした『エヴァ』の漫画版のようなものかもしれない。して、それをさらにアニメにするというのだから、なにかわからんなあという気になったのもたしかである。そういう理由で、なにかわからんから劇場公開はスルーしていた。していて、ようやく第一作を見た。
 感想はというと、すばらしいに尽きる。冒頭のシャアザクの動きに魅了され、回顧に戻ってサスロ・ザビやらジンバ・ラルを含めたあのあたりのことが丁寧に描かれている。しかも、なにかこう、なんかどっか懐かしい感じがするんだ。懐かしい感じのするアニメだ。それが、『ガンダム』の始まりの前、みたいな作品内時代背景とマッチしてるんだ。これはもう、すばらしいじゃないか。
 ちょっとだけひっかかるのはキャスバル兄さんの幼少期の声が田中真弓さんということであって、文句なしの実力、実績の持ち主なのだろうが、それゆえに昭和の子であるおれは「元気な少年キャラ」のイメージが強く(『ワンピース』はやや時代がずれてるのでよくしらない)、「キャスバル……かなあ?」という具合である。とはいえ、池田秀一に幼少期をやらせたら面白くなってしまう可能性もあってよくわからない。田村少年? あたりだと田中少年に近いのか。ようわからん。あと、『ガンダムさん』でセイラの声を名塚佳織さんがやってたので、こっちもそれだな! とか思ってたら違っていたのでやや残念。でも、潘めぐみというと、それはもうそういうことかという気にもなるか。
 しかしまあなんというか、なんかいいね。正直『ガンダムユニコーン』だと、「おまえらアッシマーとかギャプランの発展形とか見れば喜ぶんだろ?」みたいな感じをちょっと受けたりはしたけれど、本作にはそんな感じを受けなかった。今のところ。ガンタンクの基礎みたいなのが出てきても、「こんな感じなのか」という感じなのだ。これはもう、続きが楽しみだし、続きもできていることだし、追っていきたいと思う。わりと、積極的に。

ガンプラ HG 1/144 MS-06S シャア専用ザクII (機動戦士ガンダム THE ORIGIN)

ガンプラ HG 1/144 MS-06S シャア専用ザクII (機動戦士ガンダム THE ORIGIN)