「睡眠薬を飲むと気分が高揚すると聞いて服用した」
意味がよくわからない。睡眠薬はダウナーだろう? ダウナー中のダウナーだろう? 高揚しちゃったら眠れないじゃんかよう。
と、と思ったのだけれど、おれの医者がおれにアモバン、すなわちゾピクロンしか処方しない理由に思い至る。曰く、「アモバンは問題行動が起きにくいから」。
おれとしては、耐性みたいなものがついちゃう前に、超短期型睡眠薬のマイスリーとハルシオンを含めて三つで回したいという思いもあるのだが、医者は頑なにアモバンを処方する。苦味が決め手のアモバンを。
とすると、春四温あたりはなにかしらある、と思える。眠気を抑えた向こうになにかあるのかもしれない。問題行動、自分の記憶には残りもしないなにか、自分の行動に把握できないなにか。そいつは……そうなのか?
いずれにせよ、おれにはアモバン(ゾピクロン)しか処方されない。おれはゾピクロンの苦味を味わいながら眠りにつく。医者はハルシオンを処方しない、マイスリーすら処方しない、一番安全だから、とゾピクロンを処方する。おれはそれを飲む。そして眠る。おやすみ。
おやすみ。