数歩の毒

朝、寝起きにコーヒーを飲んで、パンを食べる作戦で、会社にたどりついた。しばらく動いて仕事をしたが、しばらくして、強烈な倦怠におそわれた。半歩ずつしか歩けない。姿勢を変えることすら億劫だ。身体が動かない。ドアを開けるのも、体重をあずけて、開ける。階段が、登れない。箸の上げ下げも、非常に困難で、なんとかおにぎりを二つ、食べた。

昼休み ここまで

……

………

夜、つづきを書く。つづきも書けない。面倒だ。おれは、突如としておそわれる抑うつ、倦怠に、目が覚めている時間の半分以上、今にいたっては、ほぼ全体を奪われている。

こんなもの生きていていいのか。なんの生産性もない。支払い能力を稼ぐ力もない。箸の上げ下げすらできない人間に、なにが期待されようか。なにも期待されない。目が覚めている間の半分以上を倦怠のなかで生きる人間に、どれだけの価値があるだろうか。ありはしない。

おれはなにも作れないし、残せない。交配できないで死ぬ孑孑のようなものだ。

おれはなにもできない無能だ。

おれにはなにも残せない。

おれはもう本当にうんざりしている。

これを読んでいる健常者の人間よ、なにか世界に残すものを作ってくれ。

なにか世界に残してくれ。

おれには無理だ。はなっから無理だし、無理なことは確定した。

おれに生きる価値はないし、義務も権利もない。

もう、こんなのではいけない。

生きていけない。

何があるんだ。

おれには見えない。

なにかが見えて、動けて、できる人間に全部任せる。

おれはもう無理だ。

なんの生産性もないし、なにも作れないし、自分自身を生かす力もない。

括る力もない。

どうしてどのようにしてなんのためにおれは生きてしまったのか。

おれにはさっぱりわからない。

 

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