『狂い咲け、フリーダム アナキズム・アンソロジー』を読む

 

狂い咲け、フリ-ダム (ちくま文庫)

狂い咲け、フリ-ダム (ちくま文庫)

 

はじめに

 はじめにファックありき。わたしは正論がキライだ。ファックである。あっ、正論っていっても、雑誌の名前じゃないよ。それはそれでキライなんだけど、そういうことじゃない。なんつうのかな、もっともらしいことをいって、他人をしたがわせようとするやつが大キライなんだ。だって、これがぜったいにただしいんだっていって、正義をふりかざして、ひとにああしろ、こうしろって命令して、したがわなければすぐに排除、しかもそれがあたりまえのようにふるまいはじめたら、それってただの支配だからね。てゆうか、ポリスかよって。

編者の栗原康のこのような「はじめに」よって展開される、アナキズム・アンソロジーだ。以下の人物の文章が収められている。収められているというか、「おい、もっと言わせろよ!」という具合に詰め込まれている。

おれが読んでいる、という文章もあった。いくつかあった。ほぼ、前半に偏るけれども、読んだなぁと思ったりした。でも、よくよく考えてみたら、金子文子の文章は読んだけど、朴烈は読んでねえな、とか思った。

朴烈の、ここに入っている文章は、タイトルからして好きだ。「働かずにどんどん食い倒す論」。「働かずにどんどん食い倒す」っていうのがいい。だって「働かずにどんどん食い倒す」んだぜ。最高じゃねえか。

 今の世の中に於て貧乏人の一人が労働に従事すれば、それだけ資本家共の懐は肥え、又其れ丈嫌な現社会の命は延びるのだ。

 であるから貧乏人が今の社会で働くことは、彼の資本家共に完全に征服されて居ることを意味すると共に、又貧乏人にとって此の上も無い強い恥辱であると云うべきだ。又今の世の中にゴロツキや食い倒しものが一人殖えれば、其れ丈今の社会は腐敗したことになり、又其れ丈社会の礎は傾いたことになるのだ。

今っていつだ? 2019年だっていい。そういうことだ。「働かざる者食うべからず」なんてファックだ。「働かずにどんどん食い倒す」、ベリー・ベリ・ナイス。

……という具合に、なんか「よくわからんけど、いいかも!」って言葉に巡り会えるかもしれないぜ。「アナキズムなんて、しょせんは夢想でしょ」とか言っても、「いや、今の社会のほうが悪夢じゃねえか」みたいな思いを抱いたりしてないか。

どんな感情をもつことでも、感情をもつことは、つねに、絶対的に、ただしい。

って平岡正明も言ってるぜ。

おれも自由になりたいんだ。狂い咲きしてえな。いい歳して、もう先はねえってわかってるんだけど、なんか一発ぶちあげたいんだ。いつもおれの双極性障害抑うつってやつが足を引っ張るけど、なんか感情のおもむくままに、ドカーンとさ。福田戒厳令司令はどこだ? とは言わねえさ。そんでもさ、大杉栄の言う、この犬でもない、犬そのものに、一発ぶちかましたいんだぜ、本当に。

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