その前後について書く。
前。ランチを上野近辺で食べた。どこか?
ハリマ・ケバブ・ビリヤニ。これである。12時前、すこし行列ができていた。カレーの評判が高い店のようだが、みなビリヤニを食べていたように思う。
ビリヤニとおれ、おれとビリヤニ。おれがビリヤニという料理に興味を持ち、ビリヤニを食したのは今年のことである。2019年を総括するならば、ビリヤニに出会った、といえるかもしれない。が、そこまで言うわりに、おれはビリヤニを食ってこなかった。おれはそういう人間である。
……たった三度ビリヤニを食ったが、うち一つはアウトである。そういうビリヤニもあるのかもしれないが、おれが求めるビリヤニは、長粒米がサラッサラでいい感じにスパイスが効いているそれである。で、ハリマ・ケバブ・ビリヤニはどうだったか。
はい、サラッサラで、スパイスが効いていて、非常に美味しゅうございました。今回注文したのは季節の野菜のビリヤニで、今までラムとか頼んでたけど、野菜のほうがサラッサラ感が邪魔されなくていいかもなあ、などと思った次第。で、季節の野菜ってなんだったんだろうと思うだけど、ニンジンだろうか。
というか、店内ともかく大忙し。おれが野菜、女がラムだったのに、逆に置いていったし、おれはラッシー、女はチャイだったのに、ふたつチャイが来るし(ちゃんとラッシーにかえてもらいました)。
……でもねえ、全部許せちゃうよな。なにせサラッサラのビリヤニやもん。でもって、最初に、水とおしぼりと一緒にスープが出されるのだけれど(お通しみたいな……もちろん、お金は取られません)、そっからして不思議だもん。おれが一口飲んで、女が「辛い?」と聞いてきたが、おれは「酸っぱい。こんな味、知らない」と答えたくらいのもんで、ビリヤニの端に置いてある漬物的ななにかも、なんだかわからない。なんだかわからないのはすばらしい。いや、ビリヤニはすばらしい。このハリマ・ケバブ・ビリヤニもすばらしいといえる。来年も隙あらばビリヤニを食っていきたい。
で、美術館のあとはちょっとアメ横に。
この記事をちらっと読んでいて、とてもじゃないが覚えられないし、そもそも魚介類を買うつもりもなかったのだけれど、ちょっと行ってみようかと。で、覚えていたのは《アジアの闇市「アメ横センタービル地下」》。どんなもんだろう……って、行ってみたら、もう人でギュウギュウで買い物どころか通り抜けるのも困難で、ほうほうの体で逃げ出してきましたとさ。でも、なんか生きた鯉が売ってたり、よくわからん臓物が売ってたり、バナナなのに値札に書いてある言葉が一切理解できなかったり、「ここは外国?」みたいな感じはちょっと味わえた。なんか空いてるときに来たらおもしろいかもしれない。まあ、それにしたって、特殊料理趣味の人に刺さる場かもしれないが。
そのあと、なんか女が手袋をなくしたから買いたいとか言ってたので、アメ横のメーンストリートでない鞄屋で買ったりした。特別安いのかどうかよくわからんが、選択肢の多さというのはあるように思う。なんかわからんがおれも二千円くらいの羊革の手袋買った。羊革はさわり心地がいいよな。でも、いまどきスマートフォンに対応してないのって不便なのよな。買う前に気づけ。
でもって、御徒町あたりの喫茶店で一服。女がテニスボールがほしいという。女はテニスをしない。椅子の足に履かせるために買いたいという。近くにスポーツショップがあるので、そこに行く。そこにはない。が、系列店にテニスを扱ってるところがある。またアメ横の人混みを横切る。して、スポーツショップのテニス売り場、当たり前だがテニスボールが売っている。職人っぽい人がガットを張り直したりしている専門的な場で、椅子用のボールを買った。
そして、次に、「ヨガウェアを見たい」と言う。女はこのごろヨガを初めて、おれよりもヨガを優先するくらいのところがあって、いずれは手足が伸びたり火を吐いたり、「ヨガ、ヨガ」言いながら折檻するようになるのだろう。でもって、ヨガウェア売り場。ドンキ的雑多にして、見渡す限りのヨガウェア。おれはまったくの門外漢だが、ヨガウェアというものはそれなりの値段がする。「ヨガスクールで売ってるのは高いと思ったが、これが相場なのか」と女。迷いに迷う。迷うが、「横浜あたりじゃこんだけの種類のヨガウェア売ってるとこないですよ」と言う。
いや、横浜のどこかには、すごい種類を扱っているヨガウェア専門店などあるかもしれないが、おれには思いつかなかった。みなとみらいあたりのスポーツショップじゃ、店の一角にちょっとお高いのあるくらいだろう。買うなら、ここじゃないっすか? みたいな。しかし、なんか、おれは女の買い物となると、店側の立場に立つことが多い。よくわからんが。
でもって、女はヨガウェアを買った。おれにものの良し悪しはわからんが、有名スポーツブランドのものだから悪くはないだろう。
……というのが、おれの年末のアメ横だった。アメ横には、大昔、中学か高校のころ来たこともある。目的は中田商店だったりした。そのころに比べるとチェーン店が増えたな、という気もするし、一方でなんか多国籍というか無国籍というか、あるいは外国人観光客向けというか、わけわからんようになってるな、という気もした。いずれにせよ、これだけの密度というものは横浜あたりにはなく、さすが東京なんて思ったりもした。こんなところにひょいと来れるようであれば、なんかいい店も見つけられるだろうし、おもしれえだろうな、と。そういう意味では、神奈川、横浜なんてのは、画一的ショッピングモール文化圏なんだろかいな、なんて思ったわいな。
以上。
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