将棋ドーピング考

酒を飲みながら携帯アプリでコンピュータ相手に将棋を指す。酔っていると、ほとんどない棋力からさらに集中力が削がれて、大駒のタダ取りなどされて勝負にならない。

ところでプロ棋士は公式対局中に酒を飲んでいいのだろうか? 調べてみたが、どうも酒はだめらしい。というか、酒を飲んで勝負する棋士などいないだろう。とはいえ、アルコール依存症になって、トイレで隠れてウイスキーを呷って対局に望んだ棋士などはいるかもしれない。かといって、今井雄太郎でもあるまい、飲んだらパワーアップということにはならないだろう。

酒はまあありえないとして、タバコはどうだ? これはもう今の時代には見られないが、昔は普通に吸っていたようだ。今でもJTがスポンサーにいるからルールでは禁止されていないなんて話もあるが、対局中に喫煙する棋士というのも見ない。ただ、対局中に席を外して喫煙所で吸ったりする人もいるかもしれない。そのあたりはよくわからない。

将棋は頭脳スポーツと呼ばれるが、スポーツとするならドーピングが問題になる。ドーピングとはちと違い、大リーグであったサイン盗みに近いのは携帯端末でAIに読ませるなんて話になるだろうが、これは大騒動(疑惑の目を向けられた棋士は無実)があって禁止された。

で、別に将棋指しが筋肉増強剤を使ったところで、ドーピングで失格とはならないだろう。筋力があると駒が一マス遠くまで移動できるという競技でもないからだ。

しかし、精神に作用する方はどうなのだろうか。もちろん、非合法なのはだめだ。将棋のルール以前の問題だ。まあ、大麻など吸ったら、やはり勝負にならないような気はする。冷たいやつはどうだろうか? 印南のように駒についた傷を見分けて……あまり意味ないか。

で、合法ドラッグはどうなのか。これもべつに問題になっていないようだ。だいたいにして、コーヒーやお茶、栄養ドリンク(羽生九段も去年辺りから導入したとどこかで読んだ)でカフェインをガンガン入れている。コーヒーがオーケーならば、エスタロンモカのようなカフェイン錠剤を飲むの禁じられていないのではないか。直接的な摂取となると、ブドウ糖そのままとかもあるだろうし(ほぼブドウ糖のラムネ菓子というのが現実的なラインか)。

では、スマートドラッグと呼ばれるものはどうか。これは個人輸入が禁止されているようだから非合法に分類されるかもしれない。ただ、もしも即効性のあるスマートドラッグが合法だったら、どうなのか。まず、その効果があるかどうかという話ではあるが、あったらあったで、飲んだらパワーアップのコーナーになってしまったら、それはオーケーなのだろうか。

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そういえば、アジア競技大会などで頭脳スポーツである囲碁や将棋が行われていた。そして、やはりカフェインあたりは効果あり、といったところだろう。とはいえ、現実的にカフェイン禁止というのは難しそうだ。こないだなにかの対局をみていたら、持ち時間の長い将棋では眠くなると解説の棋士が言っていたっけ。

ただまあ、いずれスマートドラッグ的なものについて将棋会が判断する時代が来るかもしれない。人間の脳が電脳化したら……と想像するよりはありうる話かもしれない。ただ、そんな都合のいい薬が出てくるのかどうかはよくわからない。

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