将棋指しや碁打ちは小銭の支払いも優雅なのだろうか?

 コンビニやスーパーのレジで小銭の支払いをするときは、できるだけ優雅でありたいと思う。10円玉なら10円玉、1円玉なら1円玉をまとめて、必要金額に対してどのような硬貨の組み合わせで、どのように支払いたいのか明確にしたいのである。これは同時に、支払金額不足という赤面の事態を避けるためでもある。だから、ピシッと支払いたい。ピシッときまれば、なんとなく自分が棋士にでもなったように思える。
 ……などということを、‘マモルは攻める’こと畠山鎮が敵陣奥深くにサウスポーで打ち込む場面などを見ながら考えた。丸山忠久は硬貨の音を立てないのだろうか? 加藤一二三なら50円玉を割るかもしれない。
 というわけで、将棋の話というか、相変わらず録画したNHK杯将棋トーナメントをアニメより優先して見ているなどという話である。関係ないが、支払いにSuicaを使う場面も増えているわけであるが、三週間分まとめて感想を書く。盤面のことについてはよく知らない。あと、畠山鎮が敵陣深く打ち込む場面があったかどうかもよくわからない。そんなものである。
 有森浩三七段vs阿部健治郎四段。ええと、内容はさっぱり覚えていないが、また千日手になった。二週連続である。そしてまた、将棋格言になるのかどうか知らんが、「千日手は若いほうが勝つ」どおりの結果になり、新人王だったか、阿部四段が勝った。しかしなんだ、なにがすごかったかといって、大病を患ったという有森七段が酸素ボンベを鼻に通しながらの将棋だったということである。『月下の棋士』かと思う。とはいえ、むろん、将棋は厳しいのである。ところで、千日手はブームになるのだろうか。そういうもんでもないか。
 森けい二九段vs畠山鎮七段。ザ・終盤の魔術師登場。そうだ、相穴熊になって、ガチガチに固めた畠山七段の勝利。途中、相手の手に対して森九段がニヤリと笑うところがあって、たいへんよかった。ようわからんが、ニヤリとしたのである。なんというか、くせ者という雰囲気の森九段らしい。こういうところがおもしろい。
 深浦康市九段vs石川陽生七段。俺が週刊将棋新聞など読んでいたころ、まだ深浦はタイトル経験がなかった。次の出番を待つくらいだったかと思う。その後、獲ったり獲られたり獲ろうとしているらしい。実力、実績的には深浦優勢みたいな感じだろうか。と、思って見ていたら、穴熊対古風な(何が新しいのかもしらんが)三間飛車で、早々と馬なんかできて、なんか深浦九段のワンサイドか、とか。とか、思ってたら、なにやら形勢互角とか、あるいは石川七段優勢かとかみたいな、受け潰し(誘い受けの仲間みたいな用語にみえなくもないな)か、みたなところもあり。でも、最後は下段三段スカスカになりつつたくさんの成金で深浦勝利。解説の中村修九段もだんだんテンションあがってきて面白かったが。

郷田真隆先崎学と共に函館へ旅行に行き、スナックにて女性に将棋盤について語り、「囲碁盤にはところどころに点(星)があるが、将棋盤にはない。」と話した。しかし、実際に対局で使われる将棋盤にも点はあり、郷田が「将棋盤にも点はありますよ。」と言う。しかし、ないものだと思い込んでたためか、「絶対ない」と譲らなかった。先崎が羽生善治に電話で聞き、羽生が「あるんじゃないの?」と返答。それを聞いても譲らず、「羽生の時代も終わった。」とまでもらした。

 面白いといえば、先崎の週刊文春の連載で読んだ、このエピソードが好きだ。ただ、具体的な登場人物は失念していたのだけれども、偉大なるかなウィキペディアさま(wikipedia:中村修)というところである。
 まあ、そんなこんなで視聴は続けたいと思う。やはり棋士の所作や表情はおもしろいのである。おしまい。

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