できれば虫も殺したくないよな 『虫キャッチリー』を買う

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この記事で知った「虫キャッチリー」。おれはすぐにポチった。おれはこういうものが欲しかった。できれば虫は殺したくないよな。

とはいえ、おれが無差別の慈悲心を持っているわけでもない。差別ある慈悲心である。その不完全さを指摘して、偽善者と罵られようともかまわない。大なり小なり、人間は、生命は、なにかを犠牲にして生きている。おれが「人殺しの顔をしろ」といったのは、その事実から目を逸らすな、いや、四六時中逸らさないでいるとどうにかなってしまうかもしれないので、たまには思い出そうぜ、ということだ。たぶん。

というわけで、差別ある慈悲心を持ったおれには、殺す虫と殺さない虫、あるいは殺せない虫が存在する。

 

殺す虫

蚊……殺す。こいつらはおれを攻撃して、痒さというダメージを与えてくる。羽音も不愉快きわまりない。なぜかここ二年くらい、あまりの暑さかどうかあまり出会わないが、出会ったら積極的に殺す。日本では問題ないかもしれないが、蚊を媒介とした感染病だってある。ここまで人間を敵にして、よく生き延びてきたものだ。刺しても痒くしない、羽音もしない進化をしてきたら、おれが殺すこともなかったろうに。まあ、やつらの主戦場は人間相手の場ではないのだろう。

 

ゴキブリ……殺す。ゴキブリが人間になんの害を与えるのか。よくわからない。しかし、人類がゴキブリに持つ恐怖心、敵対心は、進化心理学的に考えて(適当です)、ゴキブリに恐怖心や敵対心を抱かなかった人類は淘汰されてきたのだ。その選択圧を生き延びてきた側の人類として、断固としておれはゴキブリを殺す。無慈悲に殺す。というか、何歳くらいからだろうか、ゴキブリがまったく怖くなくなって、完全なキラーになれる。おれはキラーだ。キラー永田だ。

 

アリ……べつに外で労働に勤しんだり、サボったりしているアリをわざわざ殺したりはしない。ただ、部屋に入ってきたら別だ。というのも、こないだ洗濯物を干していたら、側の低木の枝葉に触れていて、柔軟剤の香りに惹かれたか、そこから伝ってTシャツがアリだらけに……。バタバタやっても落としきれないし、ちまちま殺すという苦行。あと、たぶん隙間だらけの安アパートなので、アリの行列に目をつけられたら、巣ごとジェノサイドするような薬物兵器を使用するのもいとわないだろう。

 

殺さない虫

クモ……この商品では「縁起が悪いので」殺したくないとされているクモ。クモは殺さない。ハエトリグモなど「かわいい」の部類に入る。ただ、でかいやつは苦手だ。こわい。でも、でかいやつはほとんど部屋に入ってこない。入ってきたら、それこそ『虫キャッチリー』の出番だ。でかいクモを殺すのは、ゴキブリを殺す以上に勇気がいるだろう。

 

 

 

カメムシ……以前、洗濯物として取り込んだタオルケットにカメムシがくっついた事象が発生し、寝ようとしたら(以下略)。これもなんか殺したらよけいにおいそうだし、できればお引取り願いたい。サイズ的にもやはり『虫キャッチリー』の出番だろう。

 

カナブン……なんかの拍子に部屋に飛び込んできて厄介すぎる虫の代表種。うるせー。でも、潰して殺すのには抵抗がある。これもまた『虫キャッチリー』(以下略)。

 

コバエみたいなの……コバエかどうかしらんが、なんか蚊くらいのサイズだけど、刺さないし、音もしないようなやつ。無害。というか、手で叩くのになんか抵抗がある。もちろん、大量発生みたいなことになったら殺虫剤を使うことになるだろうが、基本的に放っておく。

 

蛾……小さいやつ。これも手で叩くのには抵抗があるというか、あまり触りたくない。小さいのなら無害だから放っておく。ほとんど部屋には入ってこないが、大きいのは部屋で見るとちょっと怖い。『虫キャッチリー』は有効だろうか?

 

蜂……これは「殺さないよ」という余裕ではなく、「刺さないで、こわい!」の対象。進化心理学的にも蜂を怖がるのは多分そういうものだと説明されるだろう。とはいえ、ほとんど部屋には入ってこない。ちなみに、『虫キャッチリー』の説明には、蜂やムカデなどには危険だから使用するなと書かれていた。接近戦はヤバい。

 

…………まあ、こんなところか? 

いずれにせよ、小さな虫を殺したときも、心のなかでは「南無阿弥陀仏」と言っている。それがなんになるわけでもないのもわかっている。本当のところはゴキブリにも外に出ていってほしい。人生で一度だけ、外から帰ってきたとき一緒に玄関に入ってきたゴキブリが、もう一度ドアを開けると回れ右して帰っていったことがあるが、あんな紳士的なやつはほとんどいない。とはいえ、殺さないにこしたことはない。

まあそんなわけで、そんなに殺したくないよな、という人にはおすすめです、『虫キャッチリー』。……って、実戦投入どころか、まだ組み立ててもいないのだけれど。

 

 ……「逃虫商品」という言葉は初めて見た。