『孤狼の血 LEVEL2』はいまいちだったなってのと、映画界のセクハラ・パワハラ問題について

 

孤狼の血』はすげえいい映画だったし、LEVEL2になって鈴木亮平がすごいことになってる、ヤクザ映画史に残るすごさがすごい! という前評判をおれは受信していた。電波は電波が膨らんでおれの前評判は万里の長城となったうえに軌道エレベーターくらい高く伸びて、もう無敵だろうと思っていた。

が、実際のところ、高くしすぎたハードルほど鈴木亮平がすげえというインパクトを感じることができず、パンツ被れよとか思わないでもなく、気づいたら携帯をいじったりしていて(自室でのことですよ)、あれ、うーん、チンタとかいい感じだったけど、それほどグレートな映画じゃなかったなというのがおれの感想であって、鈴木亮平にしても、ブラボーな耳の形をしているのはともかくとして、あのときの大友勝利にはかなわんよな、という気になるわえであって、まあそういうこともある。作品が作品としてあるように、受け取り手も受け取り手としてそのときの体調や心の状態、その他いろいろがあって、まあ、噛み合わないときもあるということだ。

で、この『孤狼の血 LEVEL2』で話題になったことの一つには、白石和彌監督がリスペクト・トレーニングを取り入れたという話である。

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若松組出身で、『孤狼の血』で! というところもあった。でも、やったんだから白石監督はえらい。たぶん、この映画に関してはセクハラ、パワハラがなかったと思いたい。これをやったことと作品の出来不出来はぜんぜん関係ないだろう。映画は立派に暴力的だった。どこか突き抜けていないけれど、遠慮なんかなかったとはいえるだろう。

とかなんとか言ってしまうのは、あれだ、また日本映画界にセクハラ、パワハラの話題が出てきたからだ。

園子温の性加害を出演女優らが告発!「主演にはだいたい手を出した」と豪語する大物監督の“卑劣な要求” | 週刊女性PRIME

園子温監督、これである。

この記事では「さるだれそれ」とか「Aさん」、「Bさん」などであって、「阪神内紛」の夕刊タブロイド記事と同じていどの具体性といえばそうなのだが、どうにもかなり黒に近いグレーという印象を受けてしまう。

なんで、こんな話になっちまうんだ。「おれの好きな映画監督はキム・ギドクとか園子温です」と言っても間違いではないおれは、とんでもない人格破綻者かなにかか? もう、いい加減にしてくれ。こういう話によって、過去おれが「好きだ」といった映画が「嫌いになります」ということはないが、やっぱり人間、もやもやしちまうもんよな。そこはグラデーションだ。白か黒かではない。でも、グラデーションといってもバランスはあるよな、そういう話だ。まったく。