本好きは角川武蔵野ミュージアムに行って損はない

はい、どーん。

 

なにここ?

 

角川武蔵野ミュージアム

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はい、やって来ました東所沢。女が一度行ってみたいと言っていて、遠いからゴールデンウィークにでも行きますか、ということになった。まあ、たしかにこの建造物はちょっとすげえよ。

 

だいたいおれの属性と角川武蔵野ミュージアムのチケット案内を見れば事情はわかってくれると思うが、当日券狙い。ネット予約券と当日券は別枠なので、ネット予約が埋まっていても、当日券は存在する。

とはいえ、当日券も数を絞っているので、早々に売り切れることがあるという。して、ゴールデンウィークの5月3日、横浜から遠く東所沢まで(経路検索で川崎乗り換え南武線で府中本町、そこから武蔵野線というルートと、南浦和まで行って南武線乗り換えというルートが出てきた。たいして時間が変わらないので、座れる確率と乗り換えの少なさで後者を選択)、朝早く出かけた。

具体的には、10時開館に対して9時東所沢駅、9時15分くらい到着という感じ。先に2グループ10人くらい並んでいて、その後についた。これなら大丈夫か? 大丈夫だった。これはあくまで2022年のゴールデンウィークの話だが、当日券目的の人の参考になればいいが、失敗しても知らない。その後も当日券列にけっこう人が並んだ。並んでいると、ラーメンの種類チケットの種類をグループごとに係員さんが聞きに来て、お求めの券を印刷された紙にチェックしてしてくれて、これを窓口に出すことになる。

10時。開館すると、まずは予約の人から入館。その後、当日券組。誘導されて窓口に。支払い方法もさまざま。QUICPayで。すると、レシートのような紙にでかいQRコードが印字されたものを渡される。われわれが選択したのは1DAYパスポート。遠くから朝一に来て、まあ3時間制限のスタンダードチケットでは、というところ。もちろん、けっこう高い。高いが、おれはあれなので、そういうわけだ。

 

さあ、1DAYだ。チケットのQRコードを読み取るのは、入れる各展示場入り口なので、逆に言えば外に出たっていい。今回は1DAYのみの購入で、3FのEJアニメミュージアムでやってるリラックマとすみっコぐらしの展覧会には入れない。入らない。女はかつてかなりのリラックマ好きだったが、最近は熱がほとんど冷めていて、「べつにいい」とのこと。

 

とりあえずチケット販売窓口がある2Fから1Fへ。

 

「浮世絵劇場 from Paris」という展示。まあ簡単に言えばフランスの人がチームラボみたいなやつを浮世絵でやってます、というやつ。人もそんなにいなかったし、座っても見られた。が、立っていた方が足元とかふらつく感じがあって面白い。

 

ちなみに、今日持っていったカメラは小さくてそんなにいいカメラではないので、iPhoneで撮った方がよかっただろう。ほかの写真もあまり写りがよくないが、まあカメラのせい。おれのせいではない。

 

この劇場で少し残念なのは「天井」。天井までプロジェクションマッピングやっていたら、迫力がぜんぜん違っただろう。まあ、そんなところ。

 

そのまま1Fのマンガ・ラノベ図書館へ行ってみる。レム好きなの? ええ、好きですとも。

 

と、思ったら320万円の実寸大フィギュアがあった。マンガもたくさんあった。座って読んでいる人もいれば、本棚のタイトルを見てああだこうだ話している人もいる。そんなに混んでいない。絶妙な入場人数コントロールだろうか。

 

こちらはラノベ棚。すごい量。なんというのか、マンガ棚にしてもラノベ棚にしても、図書館とも本屋とも違う、「こういうのをこれだけ集めたぜ」という感じがすごい。ちなみに、コロナのせいなのか、適当なところに戻されると困るせいか、一度手に取った本は返却台に返すというスタイル。

 

上から、レム。もしも、ここが近所の施設で、入場料も安かったのなら、知ってるアニメの原作マンガでも読んだことだろう。でも、そうではないので。
で、女に「全部一緒に見える。ぜんぜんわからない。ところで、ラノベってなに?」と問われて困る。「ライトな……ノベルですよ。でも、おれにとってはこれ(神林長平)なんかはSFだと思いますけど、まあよくわからんです」。「あ、借りて『戦闘妖精雪風』は読んだよ。おもしろかった」。「じゃああなたもラノベ読んだことになりますね」などと。
あとは、マンガのコーナーで『異世界かるてっと』の特集ムックなどを手にとって、「これはラノベなどで一世を風靡した異世界ものを四作品集めたアニメで、自分は『Re:ゼロ』以外は知っていたのですが、これを見たあとに『Re:ゼロ』にはまって……」などと解説。「これは、エリートサラリーマンが部下に殺されて幼女に転生して、これはネトゲの……」などと。まわりにはもっと詳しい人たちがいるだろうに、まあいいか、そんな話をする。

 

次は4階へ。コロナとアマビエ的な展示をしていた。とはいえ、会田誠の「一人で酒を飲め」という言葉に打たれる。というか、言われんでも飲んどるわ。

 

そして本棚劇場へ。あのね、ここがね、やっぱりね、すげえ好き。松岡正剛が編集した本の数々が本棚に並んでる。積まれている。これがね、おもしれえんだ。人の本棚は面白いものだけれど、さすがに松岡正剛の本棚だ。

 

おれが本好きかどうかと言われるとまあ微妙なところで、金と住居の問題であまり本も買えないし、二週間に一度は横浜中央図書館に通っているくらいの日々だが……。やはり、おれはおれなりに本が好きだな。ちょっと偏りもあるし、知っていて常識の本をぜんぜん読んでいなかったりするけれど、好きなものは好きだな。

 

そんでもって、松岡正剛が編集したくらいの本棚が最高に合ってるんだな。漫画なんかも入ってくる。おお、これは田村隆一全詩集。そんでもって、「この本持ってます、最高です」、「私、これ中学生のころに読んだ。今はもう売ってないかと思っていた」などと女と話も弾む。あ、田村隆一全詩集は持ってないです。

 

この階も一度手に取った本は返却台に、というシステム。席に座ってじっくり読んでいる人もいるし、立ち読みしている人もいる。そんなに混んでいない。絶妙な入場者数コントロールだろうか。棚を見るだけの人もいれば、おれのようにいろいろ手にとっては返却台に戻す人もいる。「あ、『血と薔薇』の復刻版だ」とか、「この『東京右半分』、図書館で気になったけど、ボリュームに圧倒されてまだ読んでない」とか、「お、これ、ヘンリー・ダーガーのヴィヴィアン・ガールズじゃないですか。展覧会いったときはこんな本なかったですよね」とか、「シャルル・フーリエの『四運動の理論』、親父の本棚にあったなー』とか。

そうだな、親父は人間としても性格破綻していたし、社会人としても没落したろくでもない人間だったが、本棚だけは信頼できた。親父の本棚を思い出す。でも、ここはもっと広くて、規模が大きくて、たくさんの本がある。

 

たくさんの本の分類も面白い。この「グレートスモーカー」とはなにかといえば、著者がヘヴィ・スモーカーという括りだ。入り口の映像で松岡正剛が「スーザン・ソンタグと会うときはいつもふたりとも吸いまくっていた」と語っていたが、そういう括りだ。「え、そういう括りありなの?」という話もあるだろうが、ありだろう。ほかにも変わった分類としては「ひとりっ子」というのがあって、そこには村上春樹なんかの本があったりする。そうか、村上春樹はひとりっ子なのか。ひとりっ子らしい人、その人の本という分類もおもしろい。むろん、村上春樹の本は「純愛」のコーナーとかにもあったりする。

なんだろうか、そのあたりの編集工学というか、編集された面白さというか、そのあたりの本棚づくりが面白すぎてならんのだ。知っている本があればなんかうれしいし、知らない本をちょっと手に取ったり……。これはなんなんだろうか。貸出はしていないし、図書館とはいえないかもしれない。本の展覧会……、劇場なのか。これはちょっと3時間チケットでは満喫できない。

 

と、有名なすごく高い本棚でプロジェクションマッピングが始まるという。今は『文豪ストレイドッグス』とのコラボをやっていた。おれは『文豪ストレイドッグス』知らずなので、普通のがよかったな、とか思うが、まあいいや。女に『文豪ストレイドッグス』のおれの知っている限りの説明などする。

 

これが普通の状態。すげえ。

 

実用性とかは関係ねえ。というか、実用性はない。でも、これはよい。

 

「手に取れない本、読めない本になんの価値があるのか」という人もいるだろうが、おれはこの壮絶に積み重ねられた本という物体に圧倒されたのだぜ。
で、そのまま5Fのレストランの入り口にまで行ってみたが(細野晴臣の企画展は軽く見た)、レストラン、連休はランチやってなくてアラカルトのみですごく高いのでちょっとこれはないとなって、昼食難民となる。

 

いったん、館の外に出る。連休だからなのかキッチンカーなども出ていたが、かなりの行列。タリーズコーヒーはちょっと空いているが、食べるものはあるのか?(あとで知ったがパスタがあったので、空いていたら入るべし)。なにか有名店が出店するラーメンの店もあるが行列。うどん屋も行列。とはいえ、付近は住宅街で、店がない。さあどうする?

と、歩いていったら、「ランチ」と書いてある看板が目に入る。ブリッジでつながっている「所沢市観光情報・物産館YOT-TOKO」だ。行ってみると、いくつかのメニューは売り切れとなっていたが、バインミー・バーガーなどがありそれを注文。持ち込み可、リモートワーク可の席にも座れた。

バインミー・バーガーとノンアルコール地ビール(所沢の大麦が使われているらしい)。そのあと、物産館でおみやげのお茶とあんぱんなどを買う。狭山茶の勢いがすごい。

 

あとは、うどんとかも食べられたかな。ともかく、角川武蔵野ミュージアムのランチは考えものだ。とはいえ、ゴールデンウィークだからこんだけ混んでいたのであって、ふだんはどうだかわからない。「ヨシ、近くで定食屋を開くぞ」と思った人はよく考えてほしい。あとはなんだ、外に座る場所もあるし、朝からコンビニで昼食を買い込んでくるのも一つの手だろう。ともかく、周りは住宅街だ。バーミヤン一軒くらいしかない。

 

物産館方面から。畑ー。

 

で、買える途中に本屋。ダ・ヴィンチストア本店。こんなポスター。「ダンテもピカソもグールドも世阿弥もシブサワも草薙素子もさらいたい」とのこと。シブサワは龍彦なんだろか。というか、松岡正剛ノリノリやね。

で、このダ・ヴィンチストアなる本屋、これも本棚劇場の分類に一部対応していて面白い。あるいは、アニメグッズなども多数ある。ここは買えるので、ここも飽きない。でも、『情報の歴史』の改訂版は高くて買えなかった。

 

この年表の本はね、本当にすごいんだよ。一度、手にとって見てほしい。すごい本だ。改訂増補版の前のやつは、自宅と会社に2冊ある。東洋、西洋、日本、その他の文化、出来事が一覧できて、「この時代にこの本が出ていたのか!」とか、見ていて飽きない。サブカルチャーにも強い。増補版には『鬼滅の刃』まで入っている。角川武蔵野ミュージアムの設立を大きめの項目にしていたのは自信のあらわれか。

 

で、ミュージアムに戻る。4Fの荒俣宏ゾーンと植物のなんとかを見逃していたからだ。これはもうないけど、かつてミュージアム建物の外に貼られていたあれのなにの記録。

 

これは荒俣宏ゾーン。うさんくさいものから珍しいものまでいろいろあった。ちょっとピンボケしてるけど、モルフォ蝶というのは美しいものだな、と思った。

 

秘宝館感あり。

 

これは教育的な代物で、タブレットのカメラ越しに、ここに記載されている生き物の視界が見られるというもの。犬というのは以外に色のない世界に生きている(その分、嗅覚があるのだろうが)のだな、とか、サルは赤を認識するのかとか、馬の視界はこうなのか、とか、勉強になった(真面目)。

 

ソーシャルディスタンスのサイン。こんなん造形しちゃうあたり強いよな。

 

で、ミュージアムを出ました。まだ明るいけど、もう午後4時半くらいにはなっていた。

 

まだ水に入る子どもはいた。

 

なんだこれは?

 

なんか「日本のアニメ聖地88」というのがあって、その1番札所がここで、しかも神社らしい。くわしいことはわからない。

アニメの舞台と日本を旅しよう | 一般社団法人アニメツーリズム協会

パンフレットがあって、各国版あったので、外国からのお客さんも狙っているのだろう。今は時期的にあれだが。

 

そんでもって、外周を東所沢駅と反対方向へ。花回廊と名づけられた散策路がある。目的は、写真のこれである。これはおれのiMacで作られたものであって、まあそういうことだよ。お仕事だよ。

 

ピンオークの葉。78種128本を西畠清順さんが集めたというのだから、このスペースにしては樹種が豊富。「ところざわサクラタウン」だけに、桜のころに来れば花も楽しめるかもしれない。今は若葉の季節。

 

これはEJアニメホテルということになるのかな。実用的な建物に見える。

 

外周から最後に見上げる。

 

いい石だったので持って帰ろうかと思った(持って帰ってません)。

 

道一つ挟んで東所沢公園。チームラボの「アート空間」があるが、夜になってからだろう。今日は帰る。でも、公園の中にカフェがあって地ビールとか売ってるのはいいな。

 

行きには気づかなかったマンホール。

 

これも夜光るらしいが、待つほどではない。そういえば、これのグッズが売られていたな。

 

ハルヒ

 

ノーコメント。

 

物産館でも着ぐるみとかいた、えーと、「トコろん」。トコろんマンホールもたくさんあった。

 

え、レムじゃないの。

 

最後に見かけたのは建設会社のマンホール。いいのか、これが締めで。まあいいか。

そのあと、帰りも南浦和経由にしたら長いこと座れたので正解。桜木町止まりだったので、降りてベトナムダイニング・シクロで夕飯。ガーリックパクチー味のポテトフライと、ネプモイのオレンジジュース割りが美味しかった。いや、全般的にいいと思います。

 

以上。

 

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松岡正剛の本もいろいろ読んできたけど、なにか一冊といえば上に挙げた『情報の歴史』か、これになるんじゃないでしょうか。文庫版は持ってないけれど。