冷え症の男が当帰芍薬散を飲む

男だって冷え症(冷え性)のやつはいる。ここにいる。寒くなると手の先、足の先が冷える。冷えて困る。「足の指に血が通ってないんじゃないの?」と言われたこともある。冬になるとおれは冷える。

とくに今年はひどい。足の指先が痛い。まめができたんじゃないかな? という痛さがある。違和感がある。べつにランニングをたくさんしているわけじゃない。今までも耐え難きを耐えていたが、ちょっと耐えられない、と思った。

それで、どうしたのか。実はむかし、かかりつけの精神科医に「冷え症なんですか、何科に行けばいいんですかね?」と聞いたことがある。精神科医とはいえ医者だ。冷え症の治療はできなくとも、何科に行けばいいかくらいは教えてくれると思ったのだ。が、「え、冷え症なの? 冷え症。 うーん、なんだろうね?」くらいの答えだった。

で、どうしようか。自分でどうにかするしかない。検索してみる。薬があるぞ。漢方薬だ。漢方薬、冷え症、なんとなくそれらしい組み合わせだ。漢方薬に頼ってみようか。

 

とりあえずクラシエの5日分60錠(1回4錠×3回)を買ってみた。なんか、セロリみたいなにおいがする。漢方薬らしくていいぞ。

で、いきなり足の指先が熱くなる……なんてことはない。が、2日、3日経ってみるとだんだん効いているかも? みたいな気になってきた。どうなんだろうか。5日飲んで、やめてみる。

やめてみると同時に、ちょっと気温が上がった。気温が上がったのに、足の指先が冷えた。「あれ、やっぱり効いていたのか?」ということになった。おれのなかでそうなった。

 

というわけで、瓶で買った。買って、飲んでいる。けっこう錠剤は大きいし、飲みやすいとはいえないが、そんなことはどうでもいい。なんとなく、効いているような気はする。とくに副作用はない。ちゃんと1日3回飲んでいる。おれは当帰芍薬散を飲んでいる。

当帰芍薬散

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)という方剤です。血行をよくして体をあたため、貧血症状を改善します。また、痛みをやわらげたり、ホルモンバランスを整える効果も期待できます。

一般的に女性に用いることが多く、色白で冷え症、やせ型で体力のあまりない人に向く処方です。具体的には、体の疲れ、冷え性、貧血症状、生理不順、生理痛、生理前後の不快症状、不妊症、むくみ、頭痛、めまい、肩こり、更年期障害などに広く適応します。 

でもまあ、一般的に女性用なんだよな。冷え症も一般的に女性用の症状(?)だしな。

当帰芍薬散は女性の聖薬ともいわれ、月経トラブルをはじめ女性特有のさまざまな症状に広く用いられています。漢時代の「金匱要略」という古典書で紹介されている処方です。

女性の聖薬……。

まあいいや、冬が終わるまで飲みつづける。また、冬が来たら飲む。そのつもり。