予言者と預言者と豫言者の話

 「お言葉ですが…」で思い出したが、前に買ったときに取り上げられていたのがこの話題。「予言者は未来予知をする者、預言者は神の言葉を預かる者」という常識を否定する内容であった。曰く、「豫言者」の「豫」の字は「予」と同義語。その「豫」が別字体「預」に置き換えられたのが一人歩きし、「預」の持つ「あずかる」という意味がなぜか大きくなってしまった。その証拠に英語ではいずれもprophetだ、と。
 予言者と預言者の使い分けに関しては、誤字誤用として取り上げられることも多く、これは意外な話だった。しかし、検索してみれば多くの本業の方々も「預言者」の話題の枕に持ってきているほど浸透している。もしも高島氏の言う通り、日本語の中での一人歩きだとしたらなかなかスケールの大きなもので、注目していきたい。……と思ったが、終わっちゃったんだわな、連載。
 でも、検索してみたらずっと以前に指摘している人もいる(http://www.geocities.jp/magurogyosenn2000/reli02.html#051031b)ようなので、問題視されてきたものなのかもしれない。しかしそうか、漢字表現を漢語の聖書から持ってきたのか。じゃあ、元のを中国語に訳すときに失敗があったんじゃないのか、みたいな疑問も出てくるかもしれない。神の御言葉も翻訳によって失われる。もっとも、その原因を作ったのは神自身なのだけれどね。