『たまもの』/監督:いまおかしんじ

たまもの [DVD]
 林由美香の名前はちらほら知っていたが、彼女のAVもピンク映画も観たことが無かった。俺だってエロビデオは人並みに見てきているはずだから、見ていてもいいはずなのだけれど、縁がなかったのだ。
 それで、代表作の一つといわれる『たまもの』。原題は『熟女・発情 玉しゃぶり』であって、スタッフロール(?)の最後で「俺は『熟女・発情 玉しゃぶり』を観ていたのか!」と知らされるのだが、逆に『熟女・発情 玉しゃぶり』を期待して観たら、ある種の肩すかしはあるのかもしれない。しれないが、ピンク映画と分類されるものはそういったものかも知れず、このジャンルに俺は無知なのだ。
 それで、やっぱり林由美香の存在感というものにしびれた。言葉を発さない難しい役なんだけども、まあ、なんとも不思議な存在感で。本来なら、かなり暗い役どころになりそうなものだけど……。それで、浜辺で走り回って転ぶ姿とか、なかなか無いだろってぐらい。もちろん、絡みのエロさ。これもまた、局部アップしとけばいいってAVとは違って、実にいい。本番らしいが、それはどっちでもいいや。
 それにまた、郵便局とボウリングという組み合わせ。このあたり、ともに駄目人間の吹きだまり感もある(ブコウスキーとその『ポスト・オフィス』、そして『ビッグ・リボウスキ』とか)もんで、また、その奇妙な遊びも絶妙。ストーリーとしては、最後なんであの女が? みたいなところもあるけど、別にいいかね。
 というわけで、亡くなってしまった林由美香ならびに、ピンク映画方面について今後は掘り進めていきたい。ストラーイク、一発!