菊花賞2008回顧、あるいは、当たり馬券自慢

 これの、三連複、拾った。俺、前々日ぐらいはダイシンプランって思ってた。これは、ちょっと、やけっぱちに近い。でも、レース四十五分前くらいに、ふと、やめた。あまりに狙いすぎじゃないの、か。そこで、人気馬を見直してみた。
 オウケンブルースリ。これは、前々日通り、押し出された一番人気馬は怪しい、が、ピンかパーかというのなら、二着や三着も、ある。これは、長年の、経験。外すべからず。団子で言えば○か▲にしたい。あるいは、これが普通、本命と呼べるのか。ともかく、オウケンブルースリは、外さない。
 マイネルチャールズ清水成駿が、東スポ一面、本命。しかし、これは無印。松岡正海、もとがどんなことを言うやつか、わからないが、あまりに弱気なコメント。本質は2000m。例年のメンバーなら、この馬の成績で、ここまで人気に、ならない、などなど。西に行って、大いばりできる馬でも、なさそうに思え。今後、松岡が泣いたら、信じる。
 スマイルジャック。これ、いけるんじゃないか。ダービー二着馬の菊花賞。春の時点で、長距離適性を見せた、結果。ダービーの質が変わった、などという可能性は、置いておいて。レースっぷりも、インティライミのように、インベタ、粘り込んで、ディープスカイには、屈したけれど。気性だけ、ちゃんとしておれば、あのダービーのように、抜け出して。NHKで、パドックを見る。落ちついて、見える。ついでに、ダイシンプラン、やはり体型も、気性も、長距離風に、見えない。スマイルジャック。あまり外枠すぎない。これが狙いか。スマイルジャック、本命。
 さて、ここで、考え直さなければ、いけない点。スマイルジャックを本命にするということは、スマイルジャックと似たような条件で好走した馬を、選ぶべき。スマイルジャックの好走。フジテレビ賞スプリングカップ。二着、フローテーション。俺の、手元の、爆血馬小冊子(もうぼろぼろ)の、たくさんの書き込みの中、中山1800mの項には、こう書き込んである、「中山1800は欧州2400」。どこかで見て、メモした。ならば、距離はいいのではないか。そして、二着フローテーション亀谷敬正も、本命にしたらしい。井崎脩五郎も、本命だ。井崎は、東スポ紙上では、「10月26日は風呂の日だから、‘フロ’ーテーション」などと言うけれど、根拠もあるはず。父スペシャルウィーク。ここで、手書きの当日京都結果、父と母父をメモしたものを見る。9R三着、5R二着、三着にスペシャルウィークの名。この単純さ。そして、母父リアルシャダイ。母父リアルシャダイ春の天皇賞で教えてくれた、こと。ボックスに加えねばならない。
 あとは、ナムラクレセント。U局、競馬研究の、池田勇孝が、本命に。前走、池田は本命を打ったらしい。直線、もう駄目だと思ったら、結果、案外来てた。そう言う。俺も、ディープスカイの、相手本線に選んでいて、たしかに、そういう気はしたヤマニンセラフィムも、渋くていい。その渋さ、存在的に渋いというだけで、父母ヤマニンパラダイス、などということは、気にしない。
 シゲルフセルト。これは前々日予想の通り。
 スマイルジャックから上記+一応ダイシン、マイネル馬連。あとは、お得意の三連複ボックス。
 レース。アグネススターチとノットアローンが競る。ノットアローン、実況の通り鞍上が怖い。が、三角前にズルズル。ここで、持ったまんまのように、抜群の手ごたえのように、スルスルとスマイルジャックが、下り坂の勢いを味方するように、進出。スマイルジャックの勝つ、夢を見る。が、夢は霧散する。抜け出てきたのは、オウケンブルースリ。そして、矢のようにフローテーション。ナムラの姿も見える。これで、よい、のだっけ? オッズ、いくらくらい? まあ、いいか、とりあえず当たった。一番人気絡み、ナムラも人気サイドのはず。一万円、一万円ついてくれたら、御の字。八千円でもいい、とか。でも、結果、九万円超。これは、オッズとして、俺の、レコード更新。サニーブライアン皐月賞馬連を蹴散らして、一位。三位は、大井の名も知れぬ条件戦千四の、馬単四万くらい。おお、そうか、すごいな。びびった。
 でもしかし、これは亀マジサンクスも、あるとして、やはり、一応、スペシャルウィーク当日来てる、みたいな、手作業の、確認、その成果と思おう。当日来てる種牡馬を、買う。単純。これなら、別に血統背景や、傾向、知らずとも、いきなり血で買える。そこ。それと、サニーのときもそうだけど、人気がギュッと固まっているような、そんなレースは、ボックスで拾って、吉。逆に、人気に差があるとき、人気サイドから行くにしても、穴サイドから行くにしても、流しの方がいいか。そのあたり、考えて、次に繋げたい。
 ……しかし、あまりテンションが上がらない。この九万、どうする? 生活費だ。あれを買おう、これを買おうという、そういう余裕がない。知らない間に、博打のポッケと生活のポッケが、一緒になっているというか、この収入には夢がない。俺には夢がない。名もないハイセイコーの群れが、朝焼けの中で追い切りをしている、その地響きが聞こえない。