三千世界あまり開かぬ梅の花

 三千世界一度に開く梅の花。かなり好きなフレーズだ。大本の教祖・出口なおのお筆先だかなにか知らないが、この言葉にはなにかがあると思う。
 そういうわけか、どういうわけか、前に空港でガシャンとやったシグマ APO 70-300mm F4-5.6 DG MACROという安い望遠をぶらさげて根岸の山に行った。

 ‘叡山白’。たぶんレンズに問題はないが、腕に問題がある。カメラの腕はもちろん、腕力というか。

 ‘見驚’。どうしても見上げる形になって、腕がぷるぷるするのだ。おまけに小枝は風で揺れる。

 ‘長谷川絞り’。三脚という手はあって、考えはしたけれども、しかし、他の観梅の人たちに邪魔じゃないかという気もするし、それ以前に三脚をうまく使えない。

 ‘一流’。三脚以外に脚立という手というか脚もあって、そうしているレンズ沼から這い出てきたような紳士もいたが、さすがにそれはどうも。三脚を運ぶ脚がない。

 ‘蓮久’。しかしまあ、ファインダーを覗いて枝から枝へ伝い、小さな花の表情を見るというのは楽しい。

 これも‘蓮久’。まあ、それだったら双眼鏡でもいいという話だが。