WHERE I'M CALLING FROM (Raymond Carver)

goldhead2004-09-10

 先日、伊勢佐木町有隣堂に行ったおり、小さな洋書コーナーを発見。洋書は高いな、と思っていたら、講談社が出している英語の文庫があった。値段も手頃で、巻末にちょっとした用語解説まである。そこで、レイモンド・カーヴァーの短編集『ぼくが電話をかけている場所』ぼくが電話をかけている場所 【講談社英語文庫】を購入。英語で書かれた小説を買うのは初めてだ。ただ、今まで読んできた翻訳小説のいくつかを、いつか原書で読んでみたいな、というのはあった。それはもちろん、翻訳も一つの完成品であると思う反面、元の言葉、作者自身の言葉にあたってみたいという純粋な願いなどではなく、電車の中で読んで見栄を張りたい、女にモテたい、あわよくばセックスしたいという願望に他ならない。オラエー?
 そんなわけで、すでに翻訳を読んでいるカーヴァーならどうにかなるんじゃないかと思ったのだ。ただ、カーヴァーは結構カリカリに削った仕上げで、無駄な言葉が少なく、意味を取りにくいって話も見たことがある。しかし、読書感が失われるのは惜しいので<読んでる間は辞書と翻訳にあたらない>を原則にチャレンジ。
 まず、印象深い作品である「A Small,Good Thing」から読んでみた。単語としては基本的なものが多く、文章も簡潔で意味も取りやすいし、何より翻訳で読んでいるというのも大きい。ぐっと来るところもぐっと来た。思わず今日の昼飯はパンにしたくらいだ。文章に集中していくと、次へ次へという感じで、英語を読んでいる、という抵抗はあまりない。それに、英語から必要な意味を読み取るという点については、かつて外国のエロサイト、特にニューズグループなどでエロ画像を漁った経験が大きい。日本語が使われているエロサイトを徹底的に規制すれば、日本人の英語力はアップするだろう。
 ところで、カバーの袖にある著者略歴。"What We Talk About When We Talk About Lobe"(丸い突起物について語るときに我々の語ること)て。にこやかな白人男性の夢を見たとか、そういう話なんじゃろか?……この本、もう第12刷だぜ。その間だれも気がつかなかったんだろか。もちろん、正確には"What We Talk About When We Talk About Love"。