PRIDE.29

　事前に知ってしまった試合結果はミルコの勝利のみ。情報の遮断には成功したものの、このような努力も地上波に頼らざるを得ない境遇の悲しさ。しかし、昨夜はその頼みの地上波すらやけに映りが悪く、放送開始直前までコードと接触部分をぐじぐじやるハメになった。神よ、私からテレビを奪わないでください。

• 横井宏考vsマリオ・スペーヒー
  • スペーヒーはブラジル人だ。ブラジル人というと陽気なサンバというイメージもある一方で、俺はどうも寡黙で暗い人物の印象が強い。スペーヒーは柔術師範なので後者だ。ジーコもアイルトン・セナもホドロゴ・ノゲイラもムリーロ・ブスタマンチのイメージも後者だ。ペレとロナウドとかロナウジーニョは前者だろうか。でもやっぱ、暗そうでも弾けるときは弾けるんだろうな。で、そんなスペーヒー、がっつんがっつん頭に膝を入れる様が見事でした。

• 金原弘光vsマウリシオ・ショーグン
  • なんか名前の響きがいい、マウリシオ・ショーグン。ムリーロ・ニンジャとセットで非常にいい感じだ。で、この試合、ショーグンの強さは伝わってきたけれど、なんかちょっと力量差が。今後楽しみだけれど。

• 高橋義生vsイゴール・ボブチャンチン
  • こつこつ試合に出て、なおかつ魅せる試合をしてくれたボブチャンチン。しばらく見なかったけど、ミドルに登場。で、顔を見て驚いた。「なんか重い病気でも？」というような痩せ方に見えた。しかし、元はミドル級の選手だったとかで、これが真のボブチャンチンの姿だったのか。ロシアンフックで一撃必殺。ヘビー級で剛腕言われてたのが、ミドルでこれだもん。こりゃ凄いわ。

• セルゲイ・ハリトーノフvsチェ・ム・ベ
  • これは贔屓選手同士の対決だった。前者は‘真の最強’的イメージとこれからの楽しみで、後者はフィーバーポーズが好きなのだ。しかしまあ、力量差がありそうな中、持ち味を出したチェ様は大したもんだ。で、ハリトーノフはいいなぁ。冷酷系ファイターも、だんだん露出が多くなるにつれて人間味が押し出されてくるものだけれど、ハリトーノフは未解凍。この調子でしばらく行ってほしい。

• ミルコ・クロコップvsマーク・コールマン
  • クロコップはやけに‘無冠の帝王’がクローズアップされてきた（事実そうなのだけど）が、これは第二のアンディ・フグということだろか。この試合は見事にコールマンのタックルを交わしきり、ほとんど何もさせないで快勝。‘トライアルは圧勝するけど、本番に弱い馬’ということはないよな、ミルコ。

　……後はえーと、なんか懐かしい試合の再放送。割愛された試合を流すよりも、そっちの方が視聴率取れるという判断だろうなぁ。で、全試合キッチリ見たいなら金払って会場来るなり、スカパー！入るなりしろ、と。ここら辺は文句言えません。ただ、スポーツナビの試合内容など見ていると、どうも試合中の省略もあったみたい。そういや時間が出てない試合があった。省略したなら省略したと、そこらへんは分かりやすく編集してほしいな。そんだけ。