さて、帰るか

 気がついたら十二時半を回っている。いつもより三十分遅れなのは、きっとインターネットラジオで野球を聞いていたからだろう。ラジオで野球を聞くのは嫌いじゃない。逆に想像力をかき立てられるところもある。一方で、サッカーのラジオ中継は何がなんだかわからない。こないだのワールドカップ予選も、半分くらいラジオで聞くはめになったが、まるで見えてこない。サッカーに造詣の深い上司に「わかりますかね?」と聞いたら、「全然わかんない」とのことで、ここらあたりは競技の性質の違いかもしれない。
 しかし、カープはこのまま三連敗していたら、えらい話になるところだった。本当に勝ててよかった。しかし、阪神タイガースの「九点打線」は脅威だ。十点取るのはなかなか難しいものだから。一方で、ここから本当にすぐそこにあるハマスタでは、横浜ベイスターズが巨人を葬ったらしい。なんだか、すぐそこでミセリが投げ、ミセリが打たれていたのに、自分は遠く広島の野球を聞いていたのだな。それはちょっと妙な気分になる。スタジアムの照明灯は、結構夜遅くまでついているのですよ。
 うーん、目が冴えている。もうちょっとやろうかな。風が強くて、ときどきこのボロビルの窓を揺らす。ここ数日は部屋の中より外の方が生暖かい。今日は歩いて帰るしかない。