工夫のない料理

 日曜日の昼、私はなめ茸のパスタを作った。実家があったころ、手軽なパスタに入れ込んだことがある。その時になめ茸とパスタのことを知ったのだった。そして、持て余してなめ茸とキャベツを使う必要があった。なめ茸は「なめ茸の炊き込みごはん」の存在を知る(id:goldhead:20050419#p1)以前に、百円ショップで買っていたものだった。私の米食文化は、ごはんに何かを掛けてしまい、一品化させるケースが多い。ゆえに、白米との和合性の高いなめ茸が余っていたのだ。炊き込むにはごはんの経験が乏しい。キャベツは、言うまでもなくお好み焼き主食生活の名残である。「とんかつ屋のキャベツでごはん何杯でもいけますよ」という人もいるらしいが、私はそうではない。
 まず、バターでキャベツとブナピー、ニンニクの芽を炒めた。ちょっと塩コショウをふった。そこへ、茹で上がったパスタを入れた。そして、主役のなめ茸を投入。けっこうな量を入れないと、味が薄くくなる。火を止める前に、醤油を垂らして香りをつける。おまけに大根おろしをのっけて、そこに醤油をちょっぴりかけて完成。我ながら上出来だ。どこかの観光地の軽食喫茶でコーヒーとセットで七百五十円くらい。それで納得できるような味だ。
 しかし、反省点もある。まず、肉分の不在だ。ベーコンやハムを入れたらいいかもしれない。無かったから仕方ない。そして、ニンニクの芽。彩りとして文句はないが、アスパラガスなどの方がよりソフィスティケートされた仕上がりになったろう。ただ、味としてはニンニクを少々入れた方がいいとは思う。
 とはいえ、反省点など書いても次には活かされない。よほど時間が経たなければ、同じ料理は作りたくない。できるだけ違う味付け、違う具材。そうでなければ、工夫がないと思ってしまう。この奇妙な習慣のせいで、去年一年間、私はお好み焼きを作り続けた。それはとても面倒くさいことだから。