私にとっての朗報、誰かにとっての悲報

http://www.nikkansports.com/ns/baseball/p-bb-tp0-050427-0007.html

来季から2段モーションは厳禁

 私は二段モーションの投球フォームが嫌いだ。今、プロ野球界で最も嫌いなフォームはといえば、横浜の三浦大輔投手のフォームに他ならない。もちろん、「嫌いな選手」ではなく、「嫌いなフォーム」だ。あれほど見ていてイライラするフォームはない。三浦ファンの人には申し訳ないけれど、これは嗜好の話なので勘弁してほしいと思う。
 先週末だったか、南原清隆のスポーツ番組で、変則フォームの特集をしていた。ゲストは村田兆治角盈男、そして問題の三浦大輔だった。三浦投手がこのフォームに気づいたのは、遠投でのキャッチボール中だったという。ちょっとバランスを崩して、たまたま二段気味になった。その時、何かしっくりくるものがあったという。二段にするメリットは、軸足である右足にしっかりと体重移動させ、芯を作ることができるという話であった。なるほど、確かにしっかり右足に軸が出来る感じがした(野球経験者でもないのに、深夜アパートでこっそりシャドウピッチングしてしまった私)。けれど、やはり二段のまどろっこしいフォームは嫌いだ。
 では、逆に好きなフォームはどの投手のものだろうか。まず思い浮かぶのは、同じ横浜の川村丈夫だ。テイクバックの際の一瞬の間がたまらない。あの、グイと力を込める感じがなんとも好きなのだ。あるいは西武の森慎二。足のモーションが比較的小さく、威力ある球を投げおろす印象。腕力(かいなぢから)を感じさせるフォームが好きなのかもしれない。
 他につらつら挙げていけば、広島の佐々岡真司。こちらは無駄な力が入っていないようなフォーム。ロージンバックの白煙が湧き起こり、縦割れの高速カーブが飛んでいくさまなどたまらないものがある。やや変則的なフォームでは元オリックス具臺晟。左腕投手なのだが本来は右利きという。右利きの自分が左投げの真似をすると、具臺晟のようになるので不思議だった。そして、忘れちゃいけないのはロッテの渡辺俊介二段モーションの投手は減ってほしいが、サブマリン投法の投手は増えてほしい。アマでもプロでも指導できる人が絶対的に少ないという事情もあるのだろうけど。
 まあ、それはともかく、二段モーションは減っていく。私の嗜好には朗報だ。しかし、これで飯を食ってきた三浦や岩隈、あるいは川尻(?)には悲報なんてものではないだろう。今後、彼らがこれをきっかけにどうなっていくか見守っていきたい。男の人生なんてわからないものだ。悲報だと思っていたものが実は朗報だったってこともあるのだから、新しいフォームで今まで以上の結果だって残せるかもしれないぜ。