三崎口の寿司屋

 ソレイユの丘での食事は無理と判断し、直通バスで三崎口駅へ帰る。駅前は閑散とした感じだが、開店したばかりの回転寿司屋があった。しかし、ちょっと待たねばならないような雰囲気。諦めて店を出てふと横を見ると、奥まったところに寿司屋が一軒。ランチ上にぎり千円などとあるので、そちらへ。店内に入ると、すぐ靴を脱ぐ形式。左手にカウンター五、六席、右手には座布団にして十席、正面奥に大きな机というキャパシティ。部屋の隅からはみのもんたのテレビ、店内にはジンロのボトルキープがいっぱいという雰囲気。俺はせっかくなので「地魚ランチ」千円を注文。はじめ出てきた茶碗蒸しがえらくぬるくて驚いたが、その後出てきたみそ汁はよかった。魚のあらを使っていたもので、ダシが効いていてめっぽう美味しい。
 そしていよいよ、寿司。地魚ランチは五種十カン。普通の上にぎりセットなどと違い、見栄えは実に地味。運んできた女性店員が、カウンターのおやじに向かって、「これは○○と▲▲よね?」などと聞く。全てについて説明を聞いたが、サワラならぬワラサ(稚鰤と変換された)があったとか、その程度しかわからなかった。マニアック。三種はレモン塩なのでそのまま召し上がれとのこと。見た目は地味だったが、どれもなかなかに美味しく、特に内臓らしき何かが上にちょこんと乗ったやつがよかった。後から入ってきたお客さんなども、この「地魚」を頼む人が多い。若い女性二人が「地魚」を注文後、「マグロは入ってるのかな?」などと言っていたが、マグロは地魚じゃないだろう。いや、三崎と言えばマグロだから、地魚といえば地魚なのかな。マグロは入っていなかったけれど。まあ、とにかく満足という感じでよかったよかった。丼ものもけっこうなボリュームのようであった。かようにして、ワイドショーの福知山線脱線事故の話題などを見ながら(店内中が)、まったりと昼のひとときを過ごしたのであった。