映画を見終えて二時半過ぎ、みなとみらい側から駅をまたいで野毛方面へ。目的地は『萬里』。これである。野毛の老舗というが、おれはムックを読むまで知らなかった。
入店すると、一階カウンター席の奥の方が空いているので進んでいくと、「二名様ですか? お二階をどうぞ」と。で、二階に行くと、お座敷をどうぞ、と。
お座敷にはわれわれだけ。
「餃子を二人前頼みましょう」とおれ。
そして、メニュー選び。女は中華丼、おれは「特別中国ランチ」(ムックでは「特別中華ランチ」となっていた)を選んだ。
なんとなく、外の時間がわからなくなる空間。
「なんか、昼じゃないみたい」
「ビール、頼みましょうか?」
ということで、瓶ビールを追加注文。おれも女も好きなキリンの一番搾り。小さなコップで乾杯。席の方を眺めれば、そろってみんながみんなビールを飲んでいるので、これが野毛というものなのであろう。
そして、女の中華丼が来た。
「熱い。でも、なんか懐かしい味」
しばらくすると、餃子が来た。
熱々で小ぶりの餃子。餃子の味がする。ビールを飲む。お座敷であぐらかいて、昼から餃子とビール、悪くない。
また、しばらくして、おれの特別中国ランチ。
チャーシュー、キャベツの千切り、肉野菜炒め、揚げ物、ライス。皿の端にはカラシ。何用のカラシ? チャーシューに醤油をたらして、カラシをちょっとつけて、キャベツと一緒に食べる。なにが正解か。まあ、そんなことはどうでもいいだろう。
「この肉野菜炒め部分、そっちの中華丼の上と同じですかね?」
「魚介類がない」
そんな感じ。
して、この特別ランチ、なかなかいい。白米というところがいい。ちょっとパラパラした白米で、おれ好み。これが炒飯だと、ちと逃げ場がない。べつに肉野菜炒めの味が濃すぎるわけではないが、ちょうどいいバランスだ。スープ、ビール、チャーシュー、餃子。悪くない。
だらだらと悪くない昼食をとった。まったりできるお座敷だ。両者食べ終えてしばらく、予約していたらしい7、8人の団体がお座敷に来たので、そろそろ出るかと。
少し赤ら顔して出て野毛の街は、昼から飲んでる連中の多いこと。そのまま伊勢佐木町までだらだら歩いて、ブックオフに寄った。女はおれがすすめたケン・リュウの文庫本を二冊買った。おれは津原泰水の文庫本を一冊買った。サンマルクカフェでコーヒーでも飲んで、と思ったらなくなっていた。なんで気づかないんだろうね、こういうの。伊勢佐木モールを駅側に出て右に少し、ベローチェでアイスコーヒーを飲んで、だべって、帰った。
以上。
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