セレストブルーを聴きながら

 昨夜ニュース23を見ていたら、オマケ部分か何か知らないが、Coccoについてなにかやるとのこと。寝る予定を延長して、見ることにした。Coccoは二枚組のベスト盤を持っているのみだが、実に気になる歌手なのだ。それが最近、いつの間にかほとんどアルバムを持っているくるりと合体して、"SINGER SONGER"なるバンドをはじめたのだから、これは注目。
 ……というつもりだったが、内容のほとんどは性同一性障害の悩みから自殺した青年の話だった。そういえば「性を越えて」とかいうサブタイトルだった。で、その青年の母が歌詞を書きCoccoに送ったところ、その話を元にセレストブルーなる曲が完成したとのこと。そしてその家族を招待し、地元沖縄のコンサートで唄うCocco。それを見ながら、やはりこの人ガチだわ、と思った。何がガチなのか自分でも掴みきれないが、そう感じたのだ。他のアルバムやSINGER SONGERも買わなきゃいけないのか? ただ、あえて言うならば、間奏部分に無理矢理インタビューを重ねず、一曲通して聴かせてくれればよかったのに。時間の制約はあるんだろうけど。
 しかしまあ、メーンは性同一性障害の話であった。なんでも、戸籍の変更が可能になった法改正後も、どっちつかずで悩む人の悩みは深まり、性転換手術をしようにも、日本では術例自体が少ないとかなんとか。今回の話の人は、手術ができないのではないのかという不安に陥り、ホルモン剤向精神薬、アルコールの影響もあって自殺したという。
 こういった問題に自分が思うこと。これはどうにもあまり難しい。ジェンダーと打つと、そこらあたり全然知識ないですから、としか言えない。ただ、スタンスとしてはあらゆる性のあり方にどこまでも自由を認めたい、というか認めるしかないんじゃないか、という立場だとは思う。それは「男は男らしく」「女は女らしく」論の人の意見を疎外することになるかもしれないけれど、「あなたは男(女)らしく」で我慢してくれとしか言えない。ただ、こんな単純な話ではないことは明白だ。だから沈黙せざるをえない。
 この放送が終わってチャンネルを変えると、ココリコの田中が出てきた。どうやらAB型と思いこんできた血液型がO型だったというような話。何となくO型らしく振る舞わなきゃいけないような気になったとかなんとか。人間の同一性の問題は尽きない。