引き際の難しいこと

goldhead2005-07-06

http://www.nikkansports.com/ns/sports/sumo/p-sp-tp1-050706-0011.html

「当然、もっと長引きますよね」

 俺は花田勝氏が遺産相続について引いたことで、舞台の幕引きだと思った。たしかに貴乃花にしてみれば、争いの土俵の上で一人ピエロをやらされたような気にはなるだろう。しかし、肝心の実利を得て、後は自分の世界である相撲に打ち込めばいいだけの話。この騷動でお互い失ったものもあるだろうけど、今後はそれでいいじゃないか、と。ところが貴乃花、それじゃ気が済まないらしい。‘土俵の鬼’は満身創痍で最後まで現役にこだわったと思うが、人生の確執でも消耗戦をやるつもりのご様子。こうなるとこの後さらに傷を負うのは貴乃花ただ一人である。
 しかし、これはあるいは貴乃花という一個人の気質に帰するばかりではなく、二人の間柄であるところの「兄弟」という点に注目すべきかもしれぬ。旧約のころのカインとアベル、あるいはイシマエルとイサクではないが、その愛憎にはまた特別なものがあるのかもしれない。果たしてこの件でどちらがどちらを殺したのか、どちらが追放された者なのかはわからないが。もっとも、これで故二子山親方に隠し大負債があった、なんてことになったら、若乃花恐るべし、というところなのだけれど、まあそれはあり得ないか。