アメリカ人馬肉食わない

五分ほど遅れていけば、アメリカで四番目の金持ちが馬肉をむさぼり食うところを見なくてすむ。

 これは上に書いたエルロイの「おまえを失ってから」からの引用。富豪ハワード・ヒューズがチリドックにこっているが、その店はティファナから空輸した馬肉を使っていると主人公が知っており、何やかんや言って食うのを避けるというシーン。メキシコのティファナといえば、映画『シービスケット』にも出てきたように、競馬場があるところ。つまりはそういうことだ。
 主人公のバズ・ミークスが競馬狂いだから食いたがらないのか、というわけではなさそうだ。ちょっと前に見たこちら(http://spica.tdiary.net/20050627.html#p04)で紹介されていた記事(あ、もう見られないや)によれば、アメリカ人は馬を食うことに相当の抵抗感があるという。競走馬を食用にすることの抵抗感については知っていたが、馬全体にもそうだったのだ。
 競走馬と馬肉については暗い話になってしまうが、俺はせめて成績を残した馬くらいどうにかしてくれと思う。古くはハマノパレードの話なんかもあるが、輸入種牡馬でも上の記事にあったファーディナンドはもちろんのこと、シェリフズスター(念のために調べてみたら……なんと草競馬で走らせようとして調教中に骨折死http://blog.drecom.jp/ne3/archive/90という話が。初めて知った。肉になるよりはよかったか。結果的には悲惨だけど)くらいはどうにか、と思う。前も同じようなこと書いた覚えがあるな。まあいいや。
 というわけで、小説を読むには小さな知識を一つでも多く持っていた方がいいのかな、という話であった。