鉄腕を讃えよ

http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200509/bt2005092806.html

「タイトルがなかったら、よくやったという印象だけで終わるからね」

 今季、カープからオリックスへ移籍した菊地原毅最優秀中継ぎ投手賞のタイトルを確定させた。素直におめでとうと言いたい。菊地原と記録といえば、神様、仏様、稲尾様のシーズン最多登板記録とタイ記録を打ち立てたこともあった。しかし、そこにはこんな話があった。
http://osaka.nikkansports.com/otr/p-ot-tp1-050927-0010.html

 稲尾氏を超えることは、球界のタブーだった。84年に阪神の球団記録77試合を投げた福間には「失礼だ」という理由でストップがかかった。菊地原の場合も同様。それだけ偉大な記録として崇められてきた。

 その前に稲尾和久の発言として「菊地原の時は並んだところで(首脳陣が)やめさせたらしいけど」ともあり、稲尾様に遠慮してのタイ記録だったのだ。そして、この記事の趣旨は、阪神藤川球児は優勝に貢献しているから抜いてもオッケー、というものだ。
 しかし、これはどうなんだろうね。確かに稲尾様の最多登板は、その内容も凄まじい。それに比べれば、菊地原は確かに左のワンポイントでしかなかった。しかし、記録のための登板なんかではなかった。当時のカープ、他に左投手が居なかったのだ、まじで。それこそ、涙が出るような「フォア・ザ・チーム」じゃありませんか。そしてその菊地原が、見事新天地でタイトルの花を咲かせた。よくやったよ、本当。
 そして俺は、今季カープの左腕中継ぎ陣の数字と菊地原の今季の数字を比べてみる勇気は無いのであった。