有馬記念は復活のレースである

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 25日の有馬記念(G1、芝2500メートル=中山)に出走するホッカイドウ競馬コスモバルク(牡4、田部)に、道営の五十嵐冬樹騎手(30)が騎乗することが12日、分かった。

 ディープインパクトの衝撃に隠れて、去年のコスモバルクフィーバーはすっかり忘れられている。順調に使えないローテ、そして、目を覆いたくなるような成績。そこに降って湧いたように五十嵐とのコンビ復活の一報。これを見て俺はどう思ったか。「しまった」と思ったのだ。これでは注目を浴びてしまう、と。そう、俺は、本当にかすかな種火として、有馬記念でバルクを買おうかと思っていたのだ。ほんの、かすかに。
 だって思い返してもらいたい。まだ四歳馬で、去年も重賞二つブッコ抜いて、そのうち一つは日本レコードの金字塔。三歳馬ながら古馬に混じってジャパンカップ二着。有馬記念ではさすがに燃え尽きていたが、まずポテンシャルの底を疑うことはできないはずだ。それに、この秋だって不完全燃焼ながら、一応ジャパンカップだって2.23.5で走っているじゃないか。有馬であるいは穴人気しそうなタップダンスシチーとたった0.4差じゃないか、なあ。
 ……うーん、無理あるか。ただ、ただ、もしもだよ、バルクが四角先頭で他馬を引き離しかかるところに、大外をディープがブン回してきたらたまらんところがあるよな、とは思うのだ。はっきり言って俺は熱心なバルクファンではない(ダービー本命にしたりしたけど)かもしれないし、ルメールが一番上手く乗ったとか思ってはいるのだが。
 ああ、けど、その空想はよくない。タップと被る。脚質も復活も被る。そうだ、俺はむしろタップのファンなのだからな。あの、ファインモーションに喧嘩売って、シンボリクリスエスの追撃と戦ったあの有馬記念
 うーん、どうしたものか。まあ、まだ時間はあるか。師走は慌ただしいが、こればっかりはゆっくり考えよう。