俺、闘争

 今日は何かとやばかった。この対処を一歩間違うと自分やその他人生がやばくなるやばさだったかもしれない。洒落ではなく俺は生存のために考えて考えて考えた。敵は誰か、味方は誰か。現状を見極めること、対処すべきこと、すべきでないこと。起案、対案、再起案、統合、全否定、止揚……どう名づけていいかわからないが、俺は考えて考えて考えた。考えうる限りの場面を想定して、何通りもシミュレートした。一時誤った結論を出しそうになったが、踏みとどまって帰ってきた。あるいはそちらこそ正解で、こちらは先送りにしただけかもしれない。しかし、それでも最善だろうと俺は思う。俺は妙に興奮したな。俺は俺に何が向いているのかさっぱりわからないが、何かこういうものが向いているのかもしれない。妙に気持ちいい。そうだ、闘争だ、闘争。たとえば政治闘争のような何か。しかし、しかしだ。俺は肝心の度胸がないから、敵と相対すれば俺、逃走。