君は負け戦に向いていないと思っていたが

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060301-00000001-san-pol&kz=pol

 永田氏が「一定程度の事実を含んだものなのか、調べはまだ残っている」と未練たっぷりに語ったわずか二時間後。民主党両院議員総会で、鳩山由紀夫幹事長はメールが偽物であることをあっさり認めた。

 永田寿康の会見は見ものだった。彼にとって最悪に面白くない会見。どうあがいても起死回生のどんでん返し(「皆さまに嘘をついていたことをお詫びします。入院と見せかけて実は、香港に飛んで証拠を集めていたのです! これをご覧ください!」)などあるわけもなく、彼の手札は「敗戦処理」の一枚のみ。彼はオダギリジョーでなく劇団ひとりにすぎない。いや、なんとなく似てると今思った。しかし、敗戦処理が一番難しいのが世の常。そして、めった打ちにあったピッチャーがいったんベンチに退いて、また出てくるのだからさらに難しい。ここで永田がどんな顔をしてどんなことを語るのか。
 が、結果としてあまり印象に残るものではなかった。そういう意味では成功だったと言えるのだろうか。目に見える憔悴や狼狽、異常性は見られない一方で、自信たっぷりの逆ギレ状態というわけでもなかった。変に文節を区切って党が用意したらしきペーパーを読む姿はさすがにお役人上がりと思わせる無味乾燥さ。ただ一点、テレビを見ていた前原誠司代表をずっこけさせた上の発言は別だったか。いずれにせよカタルシスは感じられない。俺は爆弾で誰か吹っ飛ぶのが見たかった。
 それにしても、最後の最後まで民主党はだらしがなかった。これは打たれ弱さだ。自民党などは55年体制以来、おおよそ叩かれ、追求される側にいたのだから、負け戦のやり方だって熟知しているのだろう。テクニックやマニュアルだ。一方で、叩いていた方は打たれなれていない。社民、共産(穀田の件のヒステリックさを思い浮かべたが、あれは単なる内ゲバか?)など、ちょっと叩かれるとぼろぼろになる。ここら辺の基礎体力ないと、民主が政権を獲ったところで(今回の件でさらに遠のいたが)、すぐに足腰立たなくなるに違いない。ただずっと野にあって叩かれ慣れることができるのかは知らないし、叩かれ慣れるのがいいことなのかもわからない(病院雲隠れをもっと上手にやれるようになってもね、ということ)。
 再度言うがカタルシスがない。俺は爆弾で誰か吹っ飛ぶのが見たかった。自民党社会党のプロレスごっこの歴史をまた繰り返すのは面白くない。民主はとっとと首すげかえて戦いを挑め。なあなあで済ますな、ズバッとやれ。リアルファイトだ、やれよお前ら。相手が泣くまで殴るのをやめるんじゃない。