日本競馬はどうなるのか

http://daily.jp/horse/2006/07/06/0000065759.shtml

キャッシュコールマイルを制したダンスインザムードは、検疫終了後に宮城県山元トレセンへ移動予定。秋の最大目標に天皇賞を挙げた藤沢和師だが、その後は米ハリウッドパーク競馬場で行われる米牝馬限定G1・メートリアークS(11月25日、芝千六)に挑戦するプランがあることも明かした。

http://www.sanspo.com/keiba/top/ke200607/ke2006070609.html

 UAE(アラブ首長国連邦)ドバイのモハメド殿下が率いる競走馬グループの日本の統括機関であるダーレージャパン(代表・高橋力氏)がJRAに馬主登録を申請している件で、このほど都内で行われた馬主登録審査委員会では反対多数となった。

 清水成駿が先週の馬単三國志で書いてたっけ、「こちらから攻めれば、攻め返されるのが世の常」、「今、JRA船橋の黒船との交渉で忙しい」とかなんとか(だからブロンコーネのハンデをつけまちがえたのだ、と続いたが、ハンデキャッパーは交渉で忙しいわけではなかったようだ)。そして、清水によれば、昇級制度の変更(‘勝って同条件’の廃止)も、馬のレベルの底上げを目指したものだという。なるほど、昇級して頭打ちになった馬は、とっとと退場願おうという仕組み。馬主の「くりげ君」は、大馬主優遇のシステムと怒っていたっけ。
 まあ、確かに、一競馬ファンとしてもちょっと不思議には思う状況だった。日本の馬は世界の大レースにほいほい挑戦できる(挑戦の難しさではなく、枠の確保という意味で)のに、その逆はかなり限られる。また、日本の馬主は海外でばんばん走らせているのに、その逆は不可能。「エリザベス女王も日本の馬主審査には通らない」というのは、かなり前から言われてきた表現だったかな。
 というわけで、日本馬の海外挑戦が、ユメロマンからより実利的なところにシフトしつつある中で、やはり鎖国は難しいように思える。北米の芝のレベルなど考えたら、地方交流重賞的にぶつけていって、案外面白い結果になりそうだもの。いや、ダンスインザムードシーザリオアサヒライジングも強いけどね。そう考えると、クロフネミステリーこそ、日本が送り込んだクロフネだったか。
 で、競馬ファン、馬券ファンの俺としては何がどうなればいいのか。これは正直よくわからない。たとえば、日本馬のレベルが対世界で落ちたところで、それほど俺は気にならない。馬券を買って楽しむぶんには、中央も地方も一緒だ。海外遠征されても馬券は買えないし、世界に夢や幻想を抱ける楽しみすらある。では、日本競馬が外国人馬主だらけになったら。いや、馬主欄にダーレーとかニアルカス・ファミリーとか並ぶのも面白いんじゃないのか、三面川特別とかで。けど、絶対に譲れないのはやはり馬産か。正直、香港からやってくる馬たちに魅力は感じるけれど、サイレントウィットネスのような、ブリッシュラックのような馬の子どもが絶対に走らない競馬というのは想像できない。俺にとってはそこだな。そこさえ保たれるのならば、日本ダービーにどこの国の馬が出たっていいぜ(馬券難しそうだけど)。
 ……って、内国産保護と開放のところで矛盾があるんだよな。ああ。まあ、そのために日本馬強くしなきゃいかんのか。あるいは、簡単に来させないくらい力を見せると。そうか、それがディープインパクトの使命か。日本競馬の救世主だね。とりあえず、今年のジャパンカップは日本馬買いじゃないだろうか。
※専門家の意見となると、たとえば日経の野元賢一記者のこのへんとかか。
・脅威か福音か ダーレー・ジャパンと日本競馬
http://www.nikkei.co.jp/keiba/column/20050731e1h3101731.html
……馬産地に金落としてくれるんなら、外国人でもいいわな。
http://www.nikkei.co.jp/keiba/column/20060702e1h0201402.html
……金がないので縁のない話だが、クラブ法人への課税問題。また、そこには旧来の馬主の既得権益がからみ、当然、外国人馬主資格についてもからんでこよう。