プロゴルフの帰還

http://www.nikkansports.com/sports/golf/p-sp-tp1-20060922-93462.html

 プロゴルファーが、ショートホールで19打もたたいた。立山光広(38=カバヤグループ)が8番パー3(225ヤード)で17オン、2パットの大たたきを演じた。グリーン左奥の深さ約50センチのブッシュに打ち込み、脱出するのに14打も要した。日本男子ツアー史上、事実上のワースト記録。

 この件については「とくダネ!」にて小倉智昭氏が冒頭のコラムで事細かに説明してゐた。小倉氏によればこのコースは難コースとして名高く、腰まであるブツシユ等、とてもぢやないがアマチユアが脱出するのは不可能、プロとて同じで、斯様な場合はアンプレイアブルのルールもあると云うが、この件はそれも適用出來ない状況であつたとか。そして、アマであれば、一寸横に出して続けてしまふから、此処までは叩かないであらうと、寧ろプロを讚へるやうな意見であつた。
 ところでどの記事も「事實上の」ワーストであると云ふ。調べてみれば鈴木規夫といふ選手が9番ホールの欄に合計値を記入した記録があるとのこと(http://www.golfdigest.co.jp/gdo/column/back9/20040420d.asp)。しかし、改めて驚かされるのは、このやうな記入ミスまで公式記録として殘るゴルフといふ競技の特殊性である。
 といふわけで、つい先日のゴルフの話題、すなはち消しゴムで自分の記録を改竄した選手のこと(id:goldhead:20060920#p3)が思ひ浮かぶ。ゴルフ門外漢にも、この中西雅樹のしたことがとんでもないといふことがよりわかるのである。一方で、こちらの立山プロの正直さがよく見える。或いは、亀田興毅の判定の後に、川嶋勝重の判定。当たり前の事がよいものと見えて、揺り返しがあるやうに見える。
 私はそれらを、勿論陰謀や作り事だとは思はないが、かといつて單なる偶然にも思へない。ゴルフやボクシングといつた、長い歴史を有する競技の積み重ねてきた何か。何かが搖り返し、バランスを保たうとする。私はさういふものを信じてゐる。