玩具と遊戯

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また……寄稿いたしました。

よかったら読んでください。

できましたら読んでください。

ぜひとも読んでください。

なにがなんでも読んでください。

いいから読めって言ってんだろ!

 

……というわけで、おれは子供のころ「大人になっても子供心を忘れないでいよう!」と思ったわけです。それは願いであったのですが、おっさんになってみたら呪いになっていました、という話です。

この呪い、あんがい、本当に、たまにチクリと自分を刺します。たぶん、おれが今、今のコロコロコミックを読んだところで、なにか感じ入るところはないんじゃないかな、と思うわけです。ロゴは変わってないのな。

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というわけで、おれは小学生低学年までの心を失った、つまらない大人になってしまった。……が、そういう人がまあほとんどなんじゃないかな。わからん。

わからんけど、子供を作った人というのは、その子供の成長に付き合ううちに、また子供向けコンテンツにはまることがあるかもしれない。娘の興味に付き合ううちに、プリキュアにはまってしまうこともあるかもしれない。

宇多田ヒカルが言っていたことを思い出す。

宇多田ヒカルが興味深いこと言ってたことについて - 関内関外日記

自分という存在、自分の心というものの原初、源には、自分の物心というものがつくまえの乳幼児の段階があり、それが今の自らをも構成している はずである。ところが、その自分の原初というものを、自分はまったく記憶していない。それは闇の中にある。

しかし、自分が母親になってみて、物心つくまえの自分の子供が日々成長していくのを見ていると、かつてその段階にあった自分というものを再発見し、腑に落ちるような思いをする、と。

うーん、ちょっとさかのぼりすぎだろうか。玩具と遊戯を意識するのは、物心ついたあとのことだ。とはいえ、その段階にあった自分を再発見することができるのかもしれない。おれにとっては推測にすぎない。

それにしても、おれの好きだった玩具よ、遊戯よ。おれは中流の上くらいの家に生まれたので、玩具には不自由しなかった。なんでも買ってくれますのよ? とまではいかないが、「このくらいなら買ってくれるだろう」というものについては、だいたい買ってくれたといっていい。大量のミニカー。ウルトラマンのソフビ。聖闘士星矢のフィギュア(当時はそういう呼び方はされていなかったが)。SDガンダムのプラモ。ボールベアリングだけで600円もしたミニ四駆。ガチャガチャ、カードダス……。

贅沢、していたな。ただ、人生、子供の頃に大量のガン消しを持っているところにピークがあっても空しいことではある。ちゃんとした人生を送り、子供を持ち、プリキュアといえばテイエムプリキュアなどというだめな方向にいかないことが大切だ。人生の落ちぶれが、ここにはある。

しかしなんだろうな、玩具があって、おれはそれで遊んでいたな。人形遊びをしていたな。あるいは、ガン消しのとんとん相撲の対戦表や番付づくりに熱中して、弟を置き去りにしていたっけな。

goldhead.hatenablog.com

おれが小学校低学年のころだったろうか。弟とガン消しのトントン相撲で遊んでいたときのことだ。おれは「ちゃんと番付表を作って勝敗を記録したらすごく面白いんじゃないか」と思い、らくがき帳に仮の番付表を作り、モビルスーツの名前を書き……それに夢中になって、弟はどこかへ行ってしまった。結局、そのガン消しトントン相撲協会は日の目を見なかった。

これである。おれはこのように玩具の世界に入り込み、遊戯を楽しんでいた。

この性格は、今のおれのプロ野球の見方に通じてもいるし、競馬というおれ最大の趣味そのものに近いものともいえる。幼少期の遊戯がすべて失われたわけでもなかった。ただ、対象が変わっていってしまっただけなのだ。

とはいえ、やはり冒頭の願いは果たされなかったし、呪いとして残ってしまった。そこのあんた、あんたはどうだろうか。子供のころ、早く大人になって麻雀とゴルフをしたいと思っていたか(昭和の発想です)。それとも、童心を持ち続け、変わらぬ対象に愛を捧げているのか?

 

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