ひっさびさに川崎参戦。電車の乗り継ぎがうまくはまって、たったの三十分そこらで着いてしまったのだからおどろいた。
いきなりメーンの話。とくに本命など決めてはいなかった、つもりなのだけれど、やはりどうせなら地元川崎の東京ダービー馬を買ってみようかという思いもたげ、ビービートルネードの単勝、そしてシーキングザダイヤとの馬単表裏を買う。あとは、枠順通り最内一番枠から順にシーキングザダイヤ、ビービートルネード、マズルブラスト(パドックのデキがよく見えた)、ハードクリスタル、マンオブパーサーの五頭でいいんじゃないかと、トリガミ上等、補填希望の三連複五頭ボックス。この三連複はかなり自信あったんだが……。
本馬場入場時に及川サトルが一頭一頭紹介の場内アナウンス。目の前で‘天才’とコールされるのはどんな気分かと思ったが、‘天才’なのだから仕方ないか岩田康誠。授賞式でも目の前で言われてたっけ。いや、まさに。一周目一角、いきなり二番手浮上のタイムパラドックス。馬券では完全に無視していたくせに「やられた」との思いを強くする。結果、そのまま先行から強い押し切り、見事な勝利。もちろん鞍上の腕あってだが、衰えないこいつもすごいわ。アドマイヤドンやカネヒキリのような‘無敵のチャンピオン’感は薄いけれどね。二着はシーキングザダイヤで、前走勝ってしまったが、こちらはやはり‘二着チャンピオン’。三着ボンネビルレコードは的場文男、意地を見せたね。三着にこういう突っ込みがあるのも交流重賞らしい。
______________________
準メーンは重賞ローレル賞。テンセイフジの下で、前日のロジータ記念を勝った繁田健一のホウコウフジ本命。しかし、前に行けず見せ場もなく。勝ったのは的場文男のエイコークックで結構な穴。どうでもいいけど、ペパーミントパティはダーレーの馬で、鞍上酒井忍なのでぴったりでした。
最終レースはtvk賞で、クリアーザコースト快勝。いったん障害チャレンジとはいえ、中央準オープンクラスの力をまざまざと見せつける結果に。ベルモントストームも一蹴されてしまった。馬券は48kgのハンデに目がくらんでカコの妹ミライ。これもまったく駄目だった。
ほか、気になった馬。第七競走日本農産工業パワーマックス賞、中央未勝利から転入初戦のヘヴンリーブルー。生産者がH.ダテとなっており、馬主見れば伊達秀和氏。米国で生産したホーリーブル産駒。これが、中央で芝ばかり使われ、惜しいところまではいった。はたしてなぜダートを使われなかったのかと疑問&狙ってみてもいいんじゃないかの波。が、パドックで馬を見て少々納得、実に小柄の芝体型。とはいえ、一度気になってしまったのだから仕方ない、血統通りのダート開眼を信じて買う。が、いきなりは無理なご様子。
______________________
この日の重賞二つはは生ファンファーレ。演奏するのは自衛隊の軍楽隊。ローレル賞のとき、内馬場に颯爽と出てきたので注目してみた。したら、締め切りのあとすぐに指揮官、いや、指揮者が両手を広げ、演奏者たちが楽器を構える。が、いつまで経っても輪乗りは続き、演奏できない。かなりその体勢で静止していたと思う。こちらは「あまり動かない、たいしたものだ」などと思って気楽だが、ついにいったん体勢を解除。競馬場側もちゃんとタイミングを教えてやれよっての。もちろん、演奏はすばらしかった。大井競馬の楽隊の不安なファンファーレなどとはものが違う。ビッグイベントだけに、この配慮はよかった。
______________________
フサイチネット協賛だけに、関口房朗トークショーなるものも開催。ゴール板横のウイナーズサークルでやってたんだけど、次レースのパドック見たあと行ってみたら時すでに遅し、まーったく見えない。まあ、それでも携帯高く掲げて写真だけ撮った。まわり見れば、「何がフサイチだ」とか言ってそうな地方競馬感100%みたいなおっさんも同じことしていた。話の内容はいつもの関口節とでもいうのだろうか、「日高の安馬買ってもだめ、馬は高くなきゃいかん」、「地方競馬の調教師もセレクトセールの馬が欲しいと言うとる」。地方競馬場でこんなこと言うのは嫌なオヤジとも言えるが、その肝心の高馬が‘日高の安馬’にコロコロ負けているのだから、その辺はカバーされている。おすすめ馬券はもちろん中央六頭+一頭の三連単七頭ボックス。最後の最後に言わせてくれと、生声で「一番イイのは二番の馬(ビービートルネード)!」とリップサービスするも、いまいち反応は薄かった。どうだろう、たとえばその場の客層は‘おらが川崎競馬’というタイプだったろうか。あるいは、そういう人でも、それをミスターセキグチに言われてよろこぶだろうか。とはいえ、そういうシアトリカルな気配りは嫌いじゃないよ。
______________________
その関口が言っておったが、外国ではエルメスやらなんやらがレースのスポンサーになって金を出している云々、日本でももっとやるべきだと。それでこの日は一レースから全部冠がついている。週刊競馬ブック、JTB、アマノ、netkeiba.com、キリンビール……。地道なことながら、それが地方のプラスになるならいいけどね。しかし、この小ささではあまり効果も薄いか。どっかの金持ちが「ワシが全部持つから賞金二億のレースやってくれや」みたいな気前のよさや、それを受け入れる度量に期待するしかないか。
______________________
そういや、授賞式は吉田兄弟間だったっけ。これも日本競馬界の縮図か、とか思ってみたり(具体的にどうこうという思慮などありません)。