ボケの花開いた

 毎日通りがかるたびに気になっていたボケの盆栽、こないだの雨の日の夜に買ってしまう。
 路地裏のボケの花などはすばらしい。こうも趣向にとんだような造形が、路地にそっけなく生えて花を咲かす。花の淡い桃色のグラデーションも美しい。それが部屋にあったら、生活に色を添えるように思えたのだ。脱皮をする多肉植物や、有毒の観葉植物もいいけれど、花がないのはさみしい、花がないのは寂しい。
http://www.geocities.jp/gifnohito/boke/boke.html
(……はてなフォトライフでアニメーションGIF使えないとは)
 買ったときには緑色が強かったつぼみ、ようやく裂けて開いた。「咲く」は「裂く」ともともとは同じ言葉という。ボケはもともとなんであったかといえば、これは中国原産なのでもともとの名はない。中国から入ってきた「木瓜」。「もっか」でもよさそうだがいずれ中日に来るモッカに悪いし、「きうり」などと読まれてはキュウリと紛らわしい。そんなところから私は「ぼけ」でいいですよとあえて選んだのやもしれず、実におくゆかしい性格の持ち主なのである。それもまたすばらしい。