週刊Gallopが変わったことについて考えてみた

 俺がはじめて週刊ギャロップを買ったのは、ワンダーパヒュームが表紙の号だった。ワンダーパヒューム桜花賞に臨む直前だったか、桜花賞を勝ったあとだったか忘れた。競馬というものに興味を持ち始めたあたりの俺は、毎号毎号買い続け、競馬にのめり込んでいった。競馬の話しか載っていない雑誌なんて最高だと思った。もちろん週刊競馬ブックってものもあった。だけれども、競馬に興味を持ち始めた中高生に、あれはストイックすぎた。横組みの馬柱も汎用性がなかった。あと、ファンファーレってあったと思うけど、それはよく知らない。
 その週刊Gallopが変わった。何が変わったって、とにかく次の点が一番変わった。
http://www.sanspo.com/keiba/info/gallop_renewal.html

9.「左開き横書きに」
今や学校の教科書も横書きの時代。IT時代を意識した読みやすさを追求した大改革です。

 今まで右開きだったものが、左開きになる。こいつはえらい違和感だ。ただ、競馬に関する文章には数字が多く、横書きの方が組みやすいというのは理解できる。あと、IT時代を意識したとあるが、むしろこれは作り手にとってかと思える。ギャロップのオンラインサービスがどんなものか知らないが、記事をそのまま使う場合に楽だ。たまに新聞社のサイトで「皐月賞↓ダービー↓菊花賞の三冠ロード」なんて表記見かけるが、あれは縦のものをそのまま横に流し込んだ結果。はじめから横であれば→であって↓ということはない。まあ、ウェブ用にする場合、機種依存文字や外字なんかも処理せなあかんで、こんなんは些細なことだけれども。
 さらにもう一つ、サイズが若干縦に伸びた。これも大きな変更だ。それで、縦に伸びて情報量が増えた。ざっくり数えて1.25〜1.75倍くらい文字数が増えたように見える。これは手放しでいいことだ。いろいろ読みたいんだ、言葉が。それで、あるいは増えた文字数を処理するのにも、横書きの方がよかったんかな、とか。
 しかし一方で、よからんところもある。一つは、単純にめくりにくい、紙的に読みにくいということ。なんかべろんべろんぐったりしてしまうんだよね。このサイズの雑誌あんまり読まないせい、というか雑誌自体あんまり手にしないせいかもしらんが。
 そしてもう一つ。馬柱の方向に対する違和感がかなり大きい。むろん、枠確定前のものでアイウエオ順。左からページをめくっていって、これだけが右から。こいつは変だ。かといって、膨大な馬柱を横に組み直すなんてのは不可能。だったら、左にレース名と概要持って行って、左からアイウエオ順にしちまえばどうか。いや、それもかなり変だろうな。
 と、ここに来て思ったが、スポーツ紙も専門紙も馬柱は右から一枠一番、一枠二番……と続いていく。これって右回りのときはいいけれど、左回りのときは逆じゃないですか? 日本ダービーだって、一枠一番の馬は一番左に入るんですよ? ……とかいって、そんな逆馬柱など見たら、ちょっと脳味噌破壊されそうな気もする。馬齢表記変更なんかよりきっついかも。
 まあともかく、週刊ギャロップは生まれ変わった。テレビだろうと雑誌だろうと、リニューアルするということは、そのままではダメ、という事情あってのことという。俺にブックはストイックすぎるので、是非ともギャロップには頑張ってもらいたいもの。買うのはビッグレースのときくらいということは、勘弁してもらいたいけれど。